優良株だけに自動投資
ちょっとしつこいと思われるかもしれないけれど、もう少しだけS&P500の話をさせてください。
さっき紹介したウォーレン・バフェットさんが、あるヘッジファンドオーナーと2008年に賭けをしたときの面白いエピソードがあります。
その掛け金はなんと100万ドル!
日本円にして1億円以上のお金を「ポン!」と賭けられるなんて、さすがバフェットさんだよね。
で、「投資方法を考えて、10年間の利益が多いほうが勝ち」というルールにしたといいます。
バフェットさんと競った相手は、有名なヘッジファンドのオーナーです。
彼は投資先として優秀なヘッジファンド5本を特別に選びました。
ちなみに、「ヘッジファンド」というのは、エリート投資家向けの1口数千万円もする投資信託のことです。一般の人にはわからないような高度な投資テクを駆使します。
その一方で、我らのバフェットさんが選んだ投資方法は、S&P500に連動するインデックスファンドでした。
構成銘柄は定期的に見直しが行われている
ここからも、バフェットさんがS&P500を高く評価していることがわかります。
そして10年後の2017年末に結果を比べると……、バフェットさんの圧勝!
その10年間で、S&P500がヘッジファンドチームの3倍以上の利益率を見せたのでした。
これによって、バフェットさんは「へッジファンドは株式市場に勝てない」という自分の考えを、身をもって証明してくれました。
この話を聞いて「おすすめどおりにS&P500を買ったとしても、株価とかを見て対応したほうがいいのでは?」と思った人もいるかな?
でも、そんな必要はほとんどないです。
というのも、S&P500の構成銘柄は定期的に見直しが行われていて、元気な企業が残ったり、新しく入ったりしながら、元気のない企業は自然淘汰されます。
実際にほったらかしていても、自然と優良銘柄だけに構成銘柄が整備されるから、本当に何もしなくて大丈夫なんです。
そうそう!
バフェットさんの賭けが終わった後、掛け金の100万ドルはどうなったか、気になりますよね?
これは、バフェットさんが選んだ慈善事業に、競争相手のヘッジファンドオーナーから寄付するという形になったらしい。
とってもかっこいいよね!
僕も近々、友達と「100万ドル寄付じゃんけん」でもしようかな……!
撮影=杉山秀樹/文藝春秋
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