前出の親族は空来ちゃんや空来ちゃんの弟にも何度か会ったことがあるというが、虐待の兆候は見えなかったという。最後に空来ちゃんを見たのは、亡くなる3カ月ほど前の2022年1月。親族がそのときの様子を語る。
入所措置解除の約1カ月後に空来ちゃんが死亡
「1月に少し遅いクリスマスプレゼントを空来くんに渡しに行ったんです。するとすごく喜んでくれて、両手でプレゼントを抱えたまま歩き回っていました。トミーヒルフィガーの服を上下で着ていて、顔とか腕に傷もなかった。抱っこをしようとすると、『ママ』と言って逃げ出してしまって。芽衣ちゃんに懐いているんだなと思いましたよ。
私はてっきり芽衣ちゃんと空来ちゃんは一緒に暮らしていると思っていたので、空来ちゃんが施設に入所していたというのはあとから知りました。芽衣ちゃんは私に言いたくなかったのかもしれません……」
空来ちゃんは、入所措置が解除された約1カ月後の2022年4月23日に搬送先の病院で死亡が確認された。
印象に残っている田代容疑者のある言葉
空来ちゃんが亡くなってからの田代容疑者の様子はどうだったのだろうか。親族は振り返る。
「芽衣ちゃんは『(空来ちゃんが)突然死しちゃった』と話していました。ひどく憔悴した様子で、落ち込んでいました。警察にも事情を聴かれていたようですが、自分の行動で心当たりはないって感じでした。
芽衣ちゃんはキャバクラやバーで週何回か仕事をしていたので、その間は友達や芽衣ちゃんの弟が空来ちゃんの面倒を見ていたこともありました。事件があった日も、空来ちゃんは芽衣ちゃんの弟が面倒を見ていたはずです。若い頃はいろいろあったかもしれないけど、芽衣ちゃんはどちらかというと辛抱強く耐える子。だから虐待をするなんて正直、信じられないんですよ」
親族は、印象に残っている田代容疑者の言葉があるという。
「芽衣ちゃんがね、子どもに『何をされても許せる』って言ってたんだよね。自分は複雑な家庭環境で育って、なかなか親に許されたり認められなかったりしてこなかったと思うの。そんな芽衣ちゃんが『許せる』って言ってて、それが印象的で……。子どものこと、すごくかわいがっていたと思うんだよね」
たった2歳で命を落としてしまった空来ちゃんは、母親を許せているのだろうか。真相解明が待たれる。