2歳の息子を暴行のうえ死亡させたとして、神奈川県藤沢市の田代芽衣容疑者(27)が傷害致死の疑いで逮捕された事件。田代容疑者は「納得がいきません」と容疑を否認しており、警察による捜査が続いている。

 田代容疑者には昨年4月22日ごろ、息子・空来ちゃん(当時2歳)の頭に暴行を加え、死亡させた疑いが持たれている。シングルマザーだった田代容疑者だが、空来ちゃんのほかにも父親の違う子どもが2人おり、“夜の仕事”をしながら生活するなど複雑な事情を抱えていた。

 だが、田代容疑者自身も複雑な家庭環境で育っていたことが文春オンラインの取材でわかった。田代容疑者の親族が明かす。

ADVERTISEMENT

 

逮捕の母が育った“複雑な家庭事情”

「芽衣ちゃんは韓国籍の父親と日本人の母親との間に生まれました。芽衣ちゃんが6歳くらいのときに両親が離婚し、母親に引き取られました」

 だが、母親との生活もそう長くは続かず、その後もなかなか安定した家庭環境に恵まれることはなかったようだ。親族が続ける。

「離婚後、母親は子どもを育てられないと言って、芽衣ちゃんは3歳離れた弟と一緒におじいちゃんの家に預けられたんです。芽衣ちゃんはそこでの生活が嫌だったと話していました。虐待をされていたわけではないようですが、居心地がよくなかったみたいです。

 その後も芽衣ちゃんが中学生になるころには、父親と弟の3人で数年ほど一緒に暮らしていたこともありましたが、再び母親に引き取られる形になりました」

田代芽衣フェイスブックより

家庭環境から逃げるように外泊することも

 両親が離婚し、幼いころから住居を転々とする生活が続いていたという田代容疑者。だが、さらに不安定な生活を強いられることになる。

「母親が暴力団組員の男と再婚したんです。この継父と母親、芽衣ちゃん、弟の4人で暮らし始めました。ですが、2009年に平塚市で発生した暴力団組員による抗争事件に関係して継父が逮捕され、刑務所送りになってしまいました。 それで母親は2人の子を養うために、仕事を始めたんです。

 母親は水商売しか長続きしなくてね……。母親が家を空けている時間が多くなり、芽衣ちゃんはまだ10代半ばなのに炊事や家のことをして、弟の“母親代わり”になっていました」

 複雑な家庭環境から逃げるように、田代容疑者は漫画喫茶や友人宅に外泊することもたびたびあったそうだ。