「開成」議員には、官僚出身ゆえの地味さがついてまわる
・城内実(1984年) 東京大教養学部-外務省
・井上信治(1988年)東京大法学部-建設省
・上野宏史(1989年)東京大経済学部-通商産業省
・小林鷹之(1993年)東京大法学部-大蔵省
・鈴木憲和 (2000年)東京大法学部-農林水産省
なるほど、超難関の国家公務員試験総合職(Ⅰ種、上級職)を通ってきたエリートたちである。開成神童の面目躍如といったところだ。
しかし、失礼ながら、このなかでどれだけの政治家が知られているだろうか。
彼らには話題を振りまくようなハデさはない。官僚出身ゆえの地味さがついてまわる。強いて言えば、2005年の小泉純一郎政権による郵政選挙で、財務官僚だった片山さつきという刺客によって、落選の憂き目を見た城内実ぐらいだろうか。しかし、城内も返り咲いてから、その後の活躍はあまり聞こえてこない。
それでも、国会議員になる開成神童は少しずつ増えている。国会議員の出身校は東京大がもっとも多いからだ。
「総理誕生」が開成OBの悲願
永田町の開成OBはお仲間が増えて気をよくしたのか、2017年夏、永霞会(永田町・霞が関開成会)の設立総会を開いた。開成高校出身の国会議員・官僚が集まり、大きな話題となった。
総会で乾杯の音頭をとったのが、内閣情報官の北村滋(1975年)である。景気づけにこう叫んだ。
「岸田総理誕生が開成OBの悲願です」。
北村滋は東京大-警察庁出身。庁内では切れ者で通っていた。
北村をもっとも有名にしたのが、元TBS記者、山口敬之の準強姦疑惑である。山口は「週刊新潮」から取材を受けた際、北村にこんなメールを送り相談をもちかけたと報じられている。
「週刊新潮より質問状が来ました。■■の件です。取り急ぎ転送します」
■■には被害女性の名が入っている。
前川喜平・前文部科学事務次官の出会い系バー通いを読売新聞にリークしたのも、北村と言われている。
こうした情報戦から、北村は「官邸のアイヒマン」というありがたくないあだ名を付けられてしまった。