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 そう語るのは、ある外資ITで技術系の仕事に従事してきたAさん(41歳・男性)だ。日系IT企業から転職してきて3年目。前職とは比較にならないほどの好条件に恵まれ、本人曰く「きちんと成果を上げてきた」そうだが、年明け早々、突然レイオフの対象となってしまった。

「レイオフ後、すぐ次の職を探し始めましたが、なかなか決まらないですね……。同程度の条件の外資は、軒並み採用を凍結しています。日系企業だとまだポジションに空きがあるのですが、年収は大幅に減ります」

 やはり日本の場合、転職活動は難航してしまうものらしい。Aさんの同期3人もレイオフを宣告されたらしいが、再就職にまでこぎつけた人はまだいない。

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「レイオフされなかった社員」もつらいよ

 一方で「レイオフされなかった社員」も、それはそれで大変なようだ。営業職のBさん(38歳・男性)は「いっそレイオフしてくれれば……」と愚痴をこぼす。 

“レイオフされたほうがマシ”な場合も…。写真はイメージです ©getty

「去年の営業成績がそれなりに良かったおかげで、レイオフの対象にはなりませんでした。でも、ぶっちゃけレイオフされたほうがマシだったんじゃないかな。

 なまじ成績が良かっただけに、今年度はさらに営業目標が上積みされちゃうんですよ。おまけに、この円安でしょ。営業目標自体はドル建てで対前年比20%増なんですが、円安分を加味すると実質40%増。自分の給料の半分はコミッション(歩合)なので、このままだと去年より売ったとしても給料が下がる可能性もあります」

 前述したように外資系企業の日本法人の場合、国内で「円」で売った売上を、本社に対しては「ドル」で納めるような仕組みになっている。そして、本社から課せられる営業目標は、当然「ドル」だ。「円」でどれだけ売っても、ひとたび円安が進行すれば、数字は簡単に目減りする。その目減り分は、もちろん営業が埋めなくてはならない。