千秋 『ウリナリ』は出演者が10人とか多かったから、そのなかでちゃんと仕事をしたい、自分がいて良かったと思ってもらいたいなとは思ってました。企画でみんなが苦戦してる時はさらっとやっちゃったり、逆にみんなが順調なときは苦戦してるほうが盛り上がるかもとか、そんな感じです。
――ポケビでも一緒だったウッチャン(内村光良さん)はどんな存在でしたか。
千秋 ウッチャンは全部見守ってくれる太陽みたいな存在ですね。何をやっても「おまえはそのままでいいんだ」って。
――ナンチャンと対照的ですね。
千秋 真逆です。でもウドちゃんにも「お前はそのままでいいんだ」って言ってたから、「それしか言わないじゃん!」ってツッコんだことはある(笑)。ナンチャンが厳しく教えてくれて、ウッチャンが「そのままで大丈夫」って言ってくれて、絶妙のバランスなんです。
――『ウリナリ』の千秋さんはいつも何かに挑戦していましたよね。
千秋 『ウリナリ』は本当に台本が1ページもなくて、現場に行って衣装やメンバーを見るまで何をするかがわからない。ドレスの衣装があったら「あ、今日は社交ダンス部か」っていう感じ。「1週間後に綱渡りできなかったらポケビ解散」って急に言われて、電話帳で探した木下大サーカスに頼み込んで泣きながら綱渡りの練習をしたり。
「私、全然“不思議ちゃん”じゃないです」
――千秋さんとビビアン・スーさんが仲が悪いという噂もありましたが、実際はどうだったんでしょう。
千秋 ポケビとブラビの対立を煽るために、プロデューサーに「ビビアンは千秋のこと嫌いらしいよ」って嘘を吹き込まれたこともあります。本当は仲が良かったのに、それで気まずくなって関係が悪化した時期も確かにありました。
――時代とはいえ、その嘘は辛いですね。
千秋 当時は辛かったですけど、番組やポケビを盛り上げるために周りの大人たちが一生懸命考えてくれたことでもあるとは思うんです。ビビアンとは後で仲直りしてるので、終わり良ければすべて良しって感じです。
―― “不思議ちゃん”で語られることの多い千秋さんですが、周りのことをとても冷静に見ている感じがします。
千秋 そうですよ。私、全然“不思議ちゃん”じゃないです。小学校のクラスでもポジション取りをすごい考えてたもん(笑)。他の人も同じように考えてると思ってたけど、大人になって周りの人に喋ったら、意外と何も考えてなかったっていう人が多くて驚いたくらい。
何をしてても自分の役割というか、意味もなくいるのは嫌で。せっかくなら、その場その場で役に立つ自分でいたいんですよね。