千秋さんが芸能界入りしたのは、1991年のテレビ番組「ゴールドラッシュ」(フジテレビ)がきっかけだった。オーディションを勝ち残り、見事優勝。

 千秋さん自身は完全な歌手志望だったが、最初に花開いたのはバラエティ番組だった。そして1995年に『ウッチャンウリウリ!ナンチャンナリナリ!!』でブレイク。

 人生が大きく変わった90年代、南原清隆さんからかけられた「バラエティの女の子は2年だからな」という言葉がその後のキャリアに大きな影響を及ぼしていた。

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――千秋さんは19歳のときに応募したオーディション番組『ゴールドラッシュ!』で優勝し、芸能界入りします。当時から歌手志望だったんですよね。

千秋さん(以降、千秋) 小学校6年生のときの卒業アルバムに「芸能人になる」って書きました。高校3年間は女の子バンドを組んでボーカルをやってたし、ずっと歌手志望です。『ゴールドラッシュ!』は当時5万人くらい応募者がいて、しかも地方大会から勝ち進んだアイドル志望のかわいい人だらけ。会場について周りを見て「あ、間違えた」って思いました。

「クスクス笑われるのがムカついて、ずっとふてくされてました」

――当時の動画を見ると、千秋さんは正統派アイドルというよりロックな服装です。

千秋 見た目のかわいさでは絶対に勝てないはずなのに、5万人、150人、50人、最終10人とどんどん勝ち進んでいって。ただ、みんな歌は上手くなかったから(笑)、相対的に見て「歌唱力で残ってるのかな?」とは思ったんです。歌手志望だし、しっかり歌いたいと思ってやってました。

 

――歌っている時は堂々としているんですが、それ以外の時はややムッとした表情に見えました。

千秋 私がただ立ってるだけで、審査員の大人たちがすごい笑うんです。で、「変わった子だね」と。自分では普通だと思ってるから不本意だったし、質問に答えてるだけなのに会場からもクスクス笑われるのがムカついて、ずっとふてくされてました。「最後はどうせかわいい子が優勝するのかな」とも思ってましたし。

――そんな中での優勝は、「まさか?」という感じでしたか。

千秋 ちっちゃいときから絶対芸能人になると思ってたので、「ここで合格しなかったら芸能人にはなれない。じゃあ受かるしかないよね」と思ってたかも。でも半信半疑なところもあって、この道であってると思うんだけどな~、どうかな~と思ってたら「あ、ほんとに受かった!」って感じでした。