日本人の4割にのぼると言われる花粉症患者。花粉の季節は集中力の低下や薬の副作用での眠気など日常生活に問題が生じるが、中でも悩みが大きいのが「鼻」や「喉」を商売道具にする人たちだろう。
特に今年は花粉症患者の“天敵”スギ花粉の飛散量が過去10年で最大と言われている。
花粉症の症状が仕事にダイレクトに影響する人たちは、どんな対策でこの地獄の季節を乗り越えているのか。花粉症歴が10年を越える“ベテラン”たちに話を聞いた。
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▼平野綾さん(女優・声優)の場合
――花粉症だと自覚したのはいつ頃でしたか。
平野 病院で診断されたのは2011年です。小さい頃から鼻炎があったんですが、大人になるにつれて3月頃に症状が酷くなるようになって、花粉症なんじゃないかと薄々気づいてはいました。でも花粉症だと認めるのが嫌で、鼻炎の薬だけでなんとかしようとしていたんですが、あるとき耳鼻科で「どう見ても花粉症ですよ」と言われて(笑)。検査を受けたら本当に花粉症だったので、認めざるを得なくなりました。
――「今年は本当に辛い」という人が多いのですが、平野さんはどうですか?
平野 世間でも騒がれていたので怯えていたら、少し前から肌荒れが急にひどくなってきて、これはかなりきつそうだなと実感しているところです。一度薬を飲んだのですがあまり効果が感じられず、終わった……という感じです。
「涙を出した瞬間に一緒に…」
――やっぱり声のお仕事には影響があるんですか?
平野 そうですね、花粉の影響で喉もガラガラになりますし、鼻詰まりの影響が大きいです。マイクが高性能なので、少しの鼻声も全部拾ってしまうんですよ。鼻をすするお芝居をしたらそれに誘発されて鼻水が止まらなくなったこともありました。「音がリアルすぎるから、もっと綺麗な音出して」と注意されました。
――ミュージカルの舞台では歌も大変そうです。
平野 もちろん鼻声や喉の枯れも困るんですけど、舞台で一番困るのは立ってしまったら鼻をかめないことですね。特に泣くシーンのあるお芝居だと、涙を出した瞬間に一緒に鼻水が止まらなくなってしまうんですよ。きらびやかなドレスを着たお姫様の役柄なのに、顔がぐちゃぐちゃになってしまうという……(笑)。
あとは外での撮影があるドラマも大変ですね。涙が出てきちゃってNGになったり。ティッシュを鼻の奥深くに詰めたりしたこともありました。