3月9日、中国との初戦に臨んだ侍ジャパンは、8-1の快勝。世界一奪還を掲げるWBCで、白星発進を決めた。続く今日10日の夜には、最大のライバル・韓国との対決を控える。先発は、ダルビッシュ有が登板する予定だ。

 初日で先発出場した大谷翔平は、4回無失点&マルチ安打の活躍でチームの初戦勝利に貢献。試合直後のヒーローインタビューでは「ちょっと序盤は重かったけど打線がつながって良かった」と笑顔で答え、翌日の韓国戦に向け「先発はダルビッシュさんなので援護できるように頑張りたい」と意気込みを語った。

“趣味は野球”と言われる大谷。“WBC初本塁打”に期待がかかる決戦を前に、大谷のストイックすぎる日常を取材した「週刊文春」の特集記事を特別に公開する(初出:「週刊文春」2022年10月13日 年齢・肩書き等は公開時のまま)。

ADVERTISEMENT

◆◆◆

大好きなオムライスを止めて「卵断ち」

 大谷翔平がシーズンを戦い抜く上で、何より大きなカギを握るのが食事だ。野球専門メディア「フルカウント」で大谷を密着取材する小谷真弥氏が明かす。

「一昨年のオフ、大谷選手は『卵をあんまり食べていない』と話していました。それまでは栄養価の高い卵を使ったオムライスを毎朝食べていて、フライパンを“トントン”として卵できれいに包む作り方も極めていたほど。理由を聞くと、オフに入ってすぐに血液検査をして、卵が『自分に合っていない食材』と分かったからだそうです。そこから2年連続で活躍しているので、結果的には大成功なんでしょうね」

実はトマトが苦手な大谷

 “卵断ち”した今、何を食べているのか。

「昨年8月から大谷さんに弁当の出前をしています」

 そう話すのは、エンゼル・スタジアムから車で15分ほどの場所にある寿司店「Sushi Koto」店長の松木保雄氏。この店では大谷の通訳を務める水原一平氏が、2007年ごろまで働いていた。

「ある時、一平さんから『店長、相談があるんですけど、弁当を配達してくれませんか』と電話がかかってきたんです。それから海鮮丼やビーフシチュー、冷たいお蕎麦などを作り、球場に持って行っています」(同前)