駅ビルを出ると、そこには…
そんな巨大な駅ビルを出ると、立派なペデストリアンデッキにバス乗り場、タクシー乗り場。木立の周りのベンチでひと休みしている人たちの姿が見える、ちょっとした広場も設けられている。駅前の交差点の上部を円形に取り囲むペデストリアンデッキは、新横浜駅前を象徴する風景のひとつだ。
そしてその周囲は大きなビルが建ち並ぶ大都会。言うまでもなく、新横浜駅周辺は横浜の副都心、大オフィス街になっているのだ。新横浜駅前を行きかう人々は、だいたい周辺のオフィスビルで働いている人たちなのだろう。
もちろん新横浜の街にあるのはオフィスビルばかりではない。新横浜プリンスホテルは駅ビル以上の高層ビルで、遠くからも望める新横浜最大のシンボルだ。さらにご存知横浜アリーナ、新横浜ラーメン博物館といった集客施設も建ち並ぶ。
さらに西に進んで鳥山川を渡れば見えてくるのが日産スタジアム。新横浜駅近くからスタジアムに向かって鳥山川を渡る橋には、「ワールドカップ大橋」などという名もつけられている。2002年のサッカーW杯や2019年のラグビーW杯で決勝戦が行われた、スポーツの聖地である。
「新横浜」のもつ“爆発的な集客力”
横アリもラー博も日産スタジアムも、それぞれのジャンルにおいて先頭を走ってきたトップランナーばかり。新横浜駅は、何も新幹線への接続ばかりではなく、こういった集客施設の最寄り駅として、存在感を示しているということになる。
首都圏では、新横浜駅は新幹線というよりこれらの施設を訪れるための駅として認識している人のほうが多いかもしれない。それくらい、新横浜駅とその周辺は爆発的な集客力を持っている。わざわざ駅の周りを歩かずとも、新横浜駅はとにかくたくさんの人が集まる、ビッグターミナルなのだ。地味などと言ってしまってすみませんでした……。
しかし、新横浜駅の本質はそれだけではない。今回は、横浜線から新幹線へと向かってそのままどでかい駅ビルを抜けてきた。ただ、横浜線の改札口は他にもあった。「篠原口」などと名付けられた、自動改札がふたつみっつ並んでいるくらいの、ビッグターミナルにふさわしくない小さな出入り口。そちらに何があるのかを見てみなければ、新横浜駅を歩いたとは言えない。