長野有紗さん(26歳・仮名)は、手作りの品のクオリティが高すぎて、複雑な気持ちになった経験があるという。 

「学生のころ付き合ってた男性に『バレンタインになにが欲しい?』と聞いたら、『手作りチョコ』と言われたので、お菓子なんてまるで作ったことがなかったけどレシピ本を買って一生懸命作ってみました。 

 手作りといっても、チョコを溶かして固めるだけで『意味あんのか』と思いましたが、深夜3時くらいまでかかって、ちょっと白っぽくなった手作りチョコが完成。100円ショップで買った包装紙に適当にくるんでプレゼントしました。 

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 1カ月後のホワイトデーは、特になにも期待していなかったんですが、彼はセンスのいい紙袋を『お返し』と贈ってくれました。もしや、という予感がしましたが、開けてみると中身はチョコケーキやクッキー、可愛いチョコタルトなど、手作りスイーツの詰め合わせ。私のよりも何倍も可愛くて、食べたら普通に美味しい。嬉しかったけど、なんか『お前よりも腕あるぜ」と言われているようで複雑でした……」 

LINEで届いた音声データを聴いたら…

 ときどき聞く「オリジナルソングのプレゼント」も鬼門だ。 

「LINEに『いまからホワイトデーのお返しを贈るね!』と来たので、なにかと思ったら、次のLINEがまさかの音声データ。恐る恐るタップしてみたら、彼がアカペラで歌うオリジナル曲が……。返事に困って、『サンキュー』というスタンプでしか返せませんでした」(23歳・医療事務) 

 女性に対するお返しの定番とも思われがちなアクセサリー類もチョイスが難しい。特に相手の好みや欲しいものを聞かずに、一方的なサプライズで返すと失敗することのほうが多い。 

「大きなトップがついたペンダントをもらいましたが、魔除けみたいでした」(42歳・ショップ店員) 

「天然石がつながった、数珠みたいなブレスレット。パワーがあるらしいですが、仕事でもプライベートでも着けるタイミングがない」(21歳・アパレル)