短期バイトでの義理チョコで「恐怖体験」
「期限つきの短期バイトをしたとき、たまたまバレンタインのシーズンだったので、その日の差し入れみたいな形で袋入りのチョコをひとつずつ男性スタッフに配ったんです。
もう『義理』を通り越して、ただ甘いものをバラ撒いただけだったんですが、その中のひとりからLINEが来て『ホワイトデーのお返しがしたい』と言われました。『そんなつもりじゃなかったので大丈夫です』と、ハッキリ断ったんですが、相手が『もう買っちゃったので』と言うので、駅前で待ち合わせて受け取りに行くことに。
異様に高いものを返されたらどうしようと思ったんですが、普通のお菓子が入ってそうな紙袋だったのでちょっと安心。受け取って中身をみたら、マカロンが入ってました。この程度なら罪悪感ないかな、と思って持ち帰ったら、さっそくLINEが。
『さっきはどうも。ところで、マカロンを贈るってどういう意味か知ってる?』みたいな文面で、調べてみると『あなたは特別な人』とかいう意味があるそうで……。一気に重くなって食べないで放置してしまいました」
他にも、同じような例は枚挙にいとまがない。
「会社で義理チョコを配ったら、二回りくらい年上の上司が、私の生まれ年のワインをくれました。いくらくらいするものなのかわからないけど、なんかそのセンスが怖かったです」(24歳・事務員)
平林真姫さん(27歳・仮名)は、戸惑いを通り越して、途方に暮れたことがあるという。
「そんなにカッコ良くはないんだけど、なぜかモテる5歳年上の男性とお付き合いすることになったんです。最初のバレンタインは、ストレートにちょっと高級な本命チョコをプレゼントしました。
お返しはデートのときで『ホワイトデーなのにお菓子じゃなくてゴメン。だけど、これが俺の気持ちだから』的なことを言いながら、ラグジュアリーな雰囲気の包装紙に、大きなリボンがかけられた縦長の小箱を贈ってくれました。
『家に帰ってから開けてみて』と言われたので、そのまま持ち帰り、部屋でそっと包みを解いたら、中身はコンドームが3箱。普通にドン引きしました。いま思えば『俺自身をプレゼント』というような意味だったのかもしれないですが、当時の私には受け止めきれませんでした……」
すっかり“虚礼化”してしまったバレンタイン&ホワイトデー。そこに必要以上の個性を乗っけたり、得体の知れないロマンスを漂わせてしまうのが、もはや間違いの元なのかもしれない。