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「もらったモノに文句をつけたくはなかったんだけど……」と、前置きして話してくれたのはショートカットの似合う、ロック好きな松林凜花さん(34歳・仮名)。 

「ライブ会場で知り合った同い年の男性と付き合い始めて、最初のホワイトデー。お返しにくれた小さな箱を開けてみると、2cmくらいの猫とハートがモチーフのピアスが入ってました。もらった瞬間、『あ、りがと~……』と、引きつった笑顔でお礼を伝えた記憶があります。彼いわく、私の誕生石のダイヤモンドと猫好きな点を考慮して探しだしたピアスとのこと。 

 そもそも私はゴリゴリでギラギラした存在感のあるピアスが好きで、片耳に10コくらいゴテゴテに着けてます。可愛い猫ピアスが入る隙など無いんです。いい人だったんですけど、このピアスの件がどうしても引っかかって別れました……」 

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 お返しするモノだけに集中してしまい、贈る相手のことをよく見ていないというパターンだ。 

恐怖を与える、「お返しのバランス崩壊」

 さらにホワイトデーで難しいのは、相手との“距離感”だ。チョコは「義理」「本命」と、明確に意図が分かれている。ただし、渡すときに「これは義理です」とハッキリ宣言しないことが多いため、そのチョコがどんな意図なのかは、受け取った側が勝手に判断してしまいがちなのだ。 

「コンビニで買った20円くらいのチョコをあげたら、お返しがバラ100本だった」(24歳・飲食店員) 

 この例などのように贈ったモノの値段や想いが釣り合わないと、それは恐怖でしかない。石堂理央さん(22歳・仮名)も、そんな「お返しのバランス崩壊」を体感したことがあるという。