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「やはり、親の知る道だけでは子どもの世界観を狭めてしまうのかなと思います。若い頃しか経験できないこともあるので、そういうことにチャレンジするのもいいと思って見守っています。『子どもに就いてほしくない』という親の気持ちはわかりますが、いざ自分の子どもがやりたいって言えば見守るしかないですね。ただ、人に迷惑をかけたり、炎上したりする動画はやめてね、とだけ言っています。

 本人はYouTube以外に仕事をしていますから、金銭的な援助を求められているわけでもない。私以外の家族や親戚も息子を好きなようにさせて、応援しているというスタンスです」

 麻里子さんは息子から収益の話も聞かされるそうで、親子関係は良好なようだ。

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テレビに出てるのと変わらないのではないか

 一方、「ばかハサ!」(登録者数4100人)というチャンネル名で2年前から投稿を続けているノムラ氏(25歳)の母親、沼田朋美さん(50代・仮名)は、息子のYouTube活動を知ったときについてこう話す。

「ばかハサ!」より

「大学時代からブログを書いてお金を稼いでいた事は認知していて、その派生でYouTubeを始めたと本人から聞きました。その当時、YouTuberの炎上商法というのが度々ニュースになっていたので、そういうのはやらないように、炎上しないように気をつけなさいと忠告はしましたが、特に反対はしませんでした。

 YouTubeについての知見はなかったのですが、最近はテレビよりYouTubeでニュースなどを見ることも増えてきたので、ある種テレビに出てるのと変わらないのではないかと感じています。

 昔からこうなってほしいとか、安定した仕事に就きなさいなどとは言ったことがなく、自由主義です。人に迷惑をかけて有名になろうとは思ってほしくない、それだけです」

 サバサバとした口ぶりが印象的な朋美さんだが、YouTuberが『就いてほしくない職業ランキング』トップになっていることについてはどう思っているのだろうか。

「YouTuberには芸能人のようなキラキラしてるイメージがあると思うので、それだけなりたい子どもも多いのは納得です。その分、難しい道なのは間違いなく、親としては子どもの生活が心配になると思うので、この結果は妥当だと感じます。しかし、一方で子どもがなにかを本気でやると言ったら応援するのも親の役目だと思います」

「ばかハサ!」では、ノムラ氏のさまざまな体験談をイラストと共に紹介する動画がメインだ。そこでは「禁煙すると宣言した1ヶ月後にタバコじゃないからと葉巻を吸い出す母親」など朋美さんのエピソードも度々登場する。

「ばかハサ!」より

「私のエピソードの動画もあるので、たまに息子の動画は見ています。人を蔑んだり、迷惑をかけたりする内容ではないので、恥ずかしい、やめてほしいなどとは思ったことはないです。ただ、私の仕事柄、高齢者が周りに多くYouTubeと言ってもわからないので、息子のチャンネルのことを周囲に話すことはあまりありません」