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「実際にありそう」正反対の俳優2人と変わり者の女性監督が対立…映画製作の舞台裏を皮肉る 「コンペティション」を採点!

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〈あらすじ〉

 ある大富豪の起業家が、自分の名前を後世に残すため映画製作を思いつく。監督に指名したのは、映画賞を総なめにした天才にして変わり者のローラ・クエバス(ペネロペ・クルス)。主演には、名優として名高いベテラン舞台俳優のイバン・トレス(オスカル・マルティネス)と、娯楽大作で活躍する世界的大スター、フェリックス・リベロ(アントニオ・バンデラス)を採用した。

 しかし、リハーサルを重ねる中で、私生活も演技スタイルも正反対の俳優二人は事あるごとに対立。さらにローラも独特の演技指導で二人を苛立たせる。

〈解説〉

『ル・コルビュジエの家』を監督したガストン・ドゥプラットとマリアノ・コーンが、映画業界の裏側と芸術家のエゴをシニカルに描くコメディ・ドラマ。114分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆映画製作の舞台裏。大なり小なり、この映画のような事態はあるのだろう。それぞれの人格から生じる、おかしみ。面白い。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆俗悪な世界で、うぬぼれと嫉妬と悪知恵が玉突きを始める。P・クルスの図太さに笑った。川島雄三を連想させるコメディ。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆己への愛丸出しの表現者同士の争いは実際にありそう。ネガティブなエネルギー満載なのに苦くて甘くて辛くて笑える。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆ちゃんと笑えた。全方位カメラの如く、映画界を隈なく皮肉ろうとする目が愉快。誇張的な悪ふざけも含め真っ当な風刺劇。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆映画産業と自我崇拝に対する独創的な風刺。教訓を避けた脚本。コメディな映像とノイズと共に忘れられぬ聴覚体験も。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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INFORMATION

『コンペティション』(スペイン・アルゼンチン)
3月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開
https://competition-movie.jp/

「実際にありそう」正反対の俳優2人と変わり者の女性監督が対立…映画製作の舞台裏を皮肉る 「コンペティション」を採点!

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