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「強そうに見えて意外に謙虚な人に私は弱かった」 南果歩がたどりついた“自分で自分を幸せにする”の境地

中野信子×南果歩

note

 日本男性にそういう人が多いのでしょう。

中野 日本だけでなく現代社会では一般的にそのようです。

 ということは、か弱そうに見えたから手を差し伸べたけれども、意外にこの女は強いぞとわかったら、その手を引いてしまうのか。

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中野 そうかもしれません。俺の入り込む余地はないな、と自信をなくしかねない。果歩さんの内面と外見のギャップによって起こりがちな現象でしょうけれど、多くの女性の悩みでもあると思うんです。相手のために、自身を弱く見せる必要が本当にあるのか? と。

 相手のために無理して自分を弱く見せるくらいなら、ひとりで伸び伸び生きたい。ひとりでいる心地よさを選びたい、ひとりのほうが合理的だと考える女性は潜在的に増えつつあると思います。

中野さん「無理して自分を弱く見せるくらいなら、ひとりで伸び伸び生きたいと考える女性は潜在的に増えつつある」

 ひとりになるも、パートナーを得るも、自分で選び取ることが大事ですね。人の心は移ろうものだから2人で分かち合えるものが永遠にあるかといったら、そうではなくなっていくこともあるし、同じように成長していけばいいけれど、人の成長の速度というのは一人ひとり違う。だからひとりの人とずっと一緒にいるというのは、大変なことですよ。

中野 日常的に妥協が必要ですもんね。私自身は決裂しがちなタイプだと思うんですけれども、たまたまパートナーが寛容なので今のところうまくいっています。

 いいなあ。それは宝くじの大当たりだと思います。宝くじは買わないと当たらないから、信子さんは買って当たった人、選び取った人ですよ。

中野 しかし妥協って、言うのは簡単ですが……って、「中野信子の人生相談」なのに自分の話をしてしまうという。

 どうぞ、どうぞ。

「まず、自分が幸せになったら他者を幸せにできるのだ!」

中野 私、なんか、かわいそうな人が好きなんですよ。

 わかる。私は困っている人に惹かれる(笑)。

 

中野 わかる、わかる(笑)。

 男性は女性の内面と外見のギャップに引いてしまうということですが、私は逆で、思っていたのと別の表情を見ると、そのギャップにすごく惹かれてしまう。強そうなのに実は困っているという人を見ると、なんとかしてあげようって思ってしまいます。