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2007年に釈放され「元連続殺人犯」としてインフルエンサーに

「ペドロは07年に釈放されました。ブラジルには原則として死刑がなく、30年以上の拘禁も禁じられているためです。当初は収監から30年後となる03年に釈放される予定でしたが、刑務所内で犯した罪の刑期が加算され、刑期が4年伸びていたようです。出所したペドロは、ブラジルを震撼させた連続強姦殺人犯を脅したとして11年に再び逮捕され、2度目の刑期を終え出所したのは18年のことでした」(前出・ブラジル在住ジャーナリスト)

 出所後のペドロは犯罪行為から足を洗ったことを強調。「元連続殺人犯」として凶悪事件を分析することで影響力を持てると踏んだのか、インフルエンサーとして余生を過ごそうとした。ブラジル紙のサイト「グロボ・ドットコム」などによると、2021年、4人を殺害したとして警察当局に追われていた男についてペドロがコメントしたのがきっかけで彼のチャンネルは注目を集めるようになった。「男は憑依されており、黒魔術を使い、当局を混乱させている」「当局が男を見つける可能性は低い」と、独創的な見立てを開陳したところ大いにウケたのだという。

SNSサイト「kwai」にペドロが投稿した自身の映像

 ペドロは殺人を繰り返した過去を後悔することはなく、むしろ悪党を倒したと誇らしげに振る舞った。一方で“普通”の人間ではないと自覚していたからこそ、他人に拒絶されることを恐れていたのかもしれない。晩年、SNSで過剰に自らを露出したのはその臆病な心情の現れだったのではないか。自伝につけたタイトルは『私は怪物ではない』だった。

自伝を掲げるペドロ(ブラジル現地紙「オ・グロボ」より)