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「言われてみれば、確かに不思議だなあ」地元住民も存在意義を知らない“森の中の謎ロータリー”…現地を訪れて“歴史の真相”を探ってみた

日本で見つけた“不思議道”#1

2023/03/29

genre : ライフ,

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集落で聞き込み調査!

 色々な理由を考えてみても、答えは見つからない。2つ目のロータリーからさらに直進して登り坂を進むと、100mほどで3つ目のロータリーに到達した。道路はここで行き止まりとなり、来た道を引き返すしかない。ここに限っていえば、Uターンが楽になるメリットがあるが、そもそも車が来ないだろう。

 対向車と行き違うためという理由も考えたが、それなら部分的に道幅を広くすればいい。そのような場所はこれまで山の中でたくさん見てきた。しかし、3連続のロータリーを見たのはここがはじめてだ。

さらに進むこと100mほど。3つ目のロータリーが現れた

 考えていても答えが見つからないので、山を下りて聞き込みを行うことにした。本当は最も近い民家の方に話を聞きたかったが、応答がなく断念した。次に、川の南側の集落へ向かい、商店に入った。店主にお聞きしたところ、ロータリーの存在はご存知だった。だが、肝心の理由については分からないという。

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「あのロータリーの謎を解明したいんですよ」と話すと、店主も「言われてみれば、確かに不思議だなあ」とおっしゃった。

店主に話を伺った商店

 店主のご厚意で、ロータリーから最も近い民家の息子さんに電話で聞いてくれたが、息子さんも分からないとの回答だった。

 ロータリーからなるべく近い集落で話を聞いたが、実はロータリー付近の山林は別の地区が管理しているとのことで、そちらで聞いたほうがいいと教えてくれた。

 教えてもらった地区まで車で移動していると、前を走っていた1台の軽トラが停車した。千載一遇のチャンスとばかりに話しかけると、ちょうどこれから自治会の集まりがあるのだという。区長さんもおられるということで、早速、話を伺った。