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「言われてみれば、確かに不思議だなあ」地元住民も存在意義を知らない“森の中の謎ロータリー”…現地を訪れて“歴史の真相”を探ってみた

日本で見つけた“不思議道”#1

2023/03/29

genre : ライフ,

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「この道はいったい何?」

 航空写真で見た道を、私の軽自動車で進む。道はまっすぐに、上り坂をグングン上っていく。するといきなり、目の前にロータリーが現れた。

 ロータリーがあることは当然知っていたが、つい「なんで?」と言葉が出た。何度も写真では見ていたはずなのに、実際に目の当たりにすると、驚きを禁じ得ない。

上り坂を上った先で突然現れたロータリー。筆者は画面奥側から手前側へと進んでいる

 ロータリーの中央には1本の木が生えていて、ロータリーには直進する道路と、左折する道路がある。直進したい気持ちを抑えて、左折してみた。1つずつ疑問を潰しておくためだ。

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 こちらも舗装されているが、100mも走らないうちに行き止まりになってしまった。行き止まりはUターンしやすいように若干広くなっていたが、ここはロータリーではなかったというわけだ。

1つ目のロータリーから左折した分岐路の終点

「この道はいったい何?」

 疑問を潰そうと思ったのに、逆に疑問が増えてしまった。

 ロータリーの進入口に戻り、直進する。道路は真っ直ぐだが、途中から勾配がさらにきつくなった。勾配をアプリで計測すると、20%程度。100m進むと20m高くなる計算だ。現在の法令で新たに道路を造るには、勾配の上限は12%とされており、20%は急坂というより激坂と呼ぶレベルだろう。

1つ目のロータリーから2つ目のロータリーに向かう。勾配が激しい

 1つ目のロータリーから300mほどで、2つ目のロータリーに到着した。

わずか300mほどで2つ目のロータリーが

「いや、だからなぜここにロータリーが?」という疑問が頭の中を占拠する。分岐路も一切なく、1本の道が直進しているだけなのにロータリーがある。直線道路でいいはずなのに、ロータリーがあるのだ。