「行為が終わると『拭くものを持ってくる』と言って、見えるところに封筒をおいて立ち去っちゃって、帰ってきませんでした。後で中身を確認したら“100万円”って書いてあるおもちゃの偽札だったんです」(被害女性)

実際に使われたおもちゃのお札 ©️文藝春秋

 いま、妖怪がパパ活市場を徘徊している。「偽札パパ」という妖怪がーー。

現場でトラブルが起きやすいパパ活

 日常生活でも当たり前のように耳にするようになったパパ活は、若い女性と経済的に余裕のある年嵩の男性、いわゆる「パパ」とが、金銭を介してマッチングすることをいう。喫茶店でおしゃべりするだけのライトなものから、セックスまで含む私的な売買春まで、ひと口にパパ活と言っても、その範囲は広く複雑だ。

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 ゆえに、事前の打ち合わせが大事になる。金額や場所、プレイ内容についてたがいのニーズをすりあわせておかなければならない。SNSの発達で、相手を探す苦労も詳細を詰める面倒も軽減されたというが、見ず知らずの赤の他人とのやり取りだけに、いざという時に現場でトラブルが起こることも少なくない。

「ブラックリスト」入りする悪質なパパも

 事前の条件を守らない悪質なパパも存在する。そんなマナーを守らない、条件を破るパパは、パパ活女子たちの間で「ブラックリスト」入りする。SNSのアカウントや本名、容姿やメッセージの特徴などが情報共有されることも珍しくない。

 2023年に入ってから、ブラックリストに名を連ねる悪質パパの筆頭として、パパ活女子の間で急速に話題になっているのが「偽札パパ」だ。その正体を仮にX氏とする。X氏は得てして実態の見えづらいパパ活トラブルのうち、最もタチの悪い「金を払わない」というパパにあるまじき人物である。

X氏がパパ活で使ったおもちゃのお金 ©️文藝春秋

「はじめは相場より高めに言い寄ってきたんです。私の場合は7(万円)。少し怪しいなと思ったけど、結局は生外(なまそと)でOKしました」