第1回WBC優勝メンバーの里崎智也氏は今大会、解説者として現地取材を行なった。準々決勝、決勝と劇的な勝利を収めた侍ジャパンをどのように見たのだろうか。

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――Amazon Primeでの解説、おつかれさまでした。アメリカから帰って、時差ぼけはありませんか?

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里崎 ないです、ないです。たっぷり眠って絶好調です。

――では早速、大会全体を振り返っての印象をお聞かせください。

里崎 ハッキリいえば、勝負は準決勝からだったんですよ。東京ラウンドはヌートバー、近藤健介の1、2番の出塁率がむちゃくちゃ高かったのが大きかったですね。それを大谷翔平、吉田正尚が返すパターンが出来て、打線として機能してたんです。あと、東京ラウンドでは野球をあまり見たことがない「ライト層」が、ヌートバーの「ペッパーミル」や大谷の活躍を見て、どんどん興味を持ってくれたでしょう。これは野球界にとって大きかったです。

©文藝春秋

――視聴率、インターネットのページビューを見ても、女性がものすごく興味を持ってくれたようですね。ヒーローが試合ごとに代わったのも大きかったですかね。

里崎 おっしゃる通りで、準決勝からは1、2番がなかなか塁に出られなくなってきた。そしたら5番村上宗隆、6番岡本和真の調子が上がって来て、準決勝、決勝をモノに出来た。「いつも誰かが調子がいい」というのがチームとして良かった。

――全員の足並みはそろいませんもんね。

里崎 野球で毎試合全員安打なんて見たことないでしょ? 誰かの調子が落ちてきたとしても、誰かの調子が上がれば、それで良しなんです。野球は。