筆者はツイッターで「闇バイト」の募集の書き込みを見つけた。コンタクトを取ってみると、秘匿性の高い「テレグラム」に誘導された。そこで、以下の条件が提示された。
(1)希望の日時で案件を紹介する
(2)同意した場合、バイト希望者が保証金を支払う(身分証の提示の代わり。支払い方法はコンビニ決済)
(3)保証金支払い後、案件を1、2時間後に紹介する
(4)案件中はこちらの指示に従う
(5)指定されたものを指定のロッカーに入れ、それで案件が終わる
(6)報酬(20万)の受け取り(口座振り込みはリスクがあるため、指定したロッカーに報酬を入れておく
もちろん、こうした「闇バイト」の中身は真偽不明だ。
どうすれば被害者本位の政策が立てられるのか
ミナコさんは、事件から20年近く経っても精神的に不安定な部分がある。
「私は、なかなか不安な感情を家族に言えません。岸田総理が『闇バイト対策強化』を発表しました。本当に強化されることを祈ります。悪いことを考える人は、また新しい犯罪を考えるでしょう。すぐに対応して、被害者がなくなる世の中になればいいと思っています」
身元がはっきりしていない相手にバイトを頼む。犯罪の場合もあり、薬物売買や強盗、殺人までがビジネスになっている。そうした取引の場を規制しても、結局は、他の場所で取引をするだけ。どうすれば、被害者本位の政策が立てられるのか。政府の「緊急対策プラン」では不十分だろう。また、より隠語が増え続けるだけではないかとも思える。
新しい法律を作ることや今ある法律の解釈変更などで、より「被害者を生み出さない」手立てを見つけていくしかないのだろうか。
「『闇バイト』と聞いたり、見たりするだけで、なんとも言えない気持ちになります」(ミナコさん)