「舞台女優にとっていちばん難しい年齢」になって起こった“すごく不思議なこと”
――いままでと比べて、自分に求められる役回りが変わってきたと感じますか?
平野 30代半ばって、舞台女優にとっていちばん難しい年齢なんです。もっとベテランか、あるいは若手に役が振られやすいんですよね。そういった状況のなか、いますごく不思議なんですけど、「アニメで求められる役柄」と「舞台で求められる役柄」が、すごく似てきたんですよ。
――具体的には?
平野 アニメでは、ラスボスっぽい役どころが多いですね。
――それは舞台でも?
平野 そうですね、「ガチのラスボス」みたいな役柄とかもくるようになりました(笑)。年齢と容姿のバランスが釣り合いが取れてきたのも一因だと思います。子役のときには顔と声の釣り合いが取れず、年齢相応の役が回ってこなくて悩みましたけど、年齢と容姿が釣り合ってきて、やる役のバランスが取れてきたように感じます。
――ファンの平野さんに対するイメージも変わってきたと感じますか?
平野 やっぱり私に対しては、アニメ声優、ライブ活動、舞台と、私を知ってくれたタイミングによって、それぞれ異なったイメージが持たれ、それぞれバラバラだったと思うんです。それがだんだん、「平野綾」で統一されてきたんじゃないでしょうか。私にしか出せない雰囲気みたいなものが、ようやくいろんなジャンルで、同じ見方になってきたと感じています。どの仕事も真摯に取り組んで、「自分」を覗かせていきたいですね。今は近く放送されるドラマの撮影の日々ですし、これからの私がどんな役をやるのか、楽しみにしていてください。
写真=原田達夫/文藝春秋
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ひらの・あや 1987年10月8日、愛知県生まれ。幼い頃から子役として活動し、TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の涼宮ハルヒ役で一躍スターダムに。声優として『らき☆すた』(泉こなた)、『それいけ!アンパンマン』(コキンちゃん)などに出演、ミュージカルとしては『レディ・ベス』(レディ・ベス)、『レ・ミゼラブル』(エポニーヌ)、『モーツァルト!』(コンスタンツェ)などに出演。4月21日からテレビ朝日系列で放送の金曜ナイトドラマ『波よ聞いてくれ』に茅代まどか役で出演するなど、活躍を続けている。
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4月6日発売の「週刊文春エンタ+」では、今回の平野綾さんのインタビューを再編集し、文春オンラインにも載っていない撮り下ろし写真とあわせて掲載しています。
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