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平野 語学学校には日本人の留学生がいたので、最初は隠れていたんですけどバレてしまい、他の国の生徒や先生にも「あっ、デンデだ!」と……(笑)。

――『ドラゴンボール』シリーズに出てくる、平野さんが演じたキャラクターですね。

平野 高校生の頃は親友もいて楽しい日々でしたが、芸能活動をしている制約があって学生生活が充実していたわけではなかったので、友達ができたことはすごくうれしかったですし、色々と助けられました。ちょうど大統領選挙があった年(ドナルド・トランプが勝利)なので、語学学校でのディベートが本当に白熱していたのもよく覚えています。授業中にケンカになるなんて、やっぱり文化が違うなぁって。

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――友人も出来て、学校でも新鮮な毎日があって……と、すごく良い時間を過ごされたように思います。生活には意外とスムーズになじめたんですか?

平野 それが……、トラブル続きだったので、強制的に慣れるしかなかったんです。最初は学校の寮に住んでいたんですけど、プライベートな空間がないことで「もう無理」となって出ることになり、そこで不動産詐欺に遭いました。留学生だからって、すごく足もとを見られたんです。

 だから、不動産関係の英単語をものすごく勉強しました。語学学校はエンパイア・ステート・ビルのなかにあって、ボーカルレッスンの学校はブロードウェイにあったので、結局パークアベニューに部屋を借りました。

――目的だったボーカルレッスンのほうはどうでしたか?

平野 それが、渡米前に頼りにしていた方とまったく連絡が取れなくなってしまい……。だから、現地で学校探しからはじめました。コンコンってノックして「入れてください」って(笑)。結果的に、すごく得るものがあっていいレッスンを積めたんですけど、それまでがたいへんでした。

「日本ではスマホに緊急地震速報が入りますけど、当時のニューヨークではテロ警戒のアラートがよく出ていて…」

――先ほど大統領選挙の話がありましたが、その頃のニューヨークはどんな感じでしたか?

平野 日本ではスマホに緊急地震速報が入りますけど、当時のニューヨークではテロ警戒のアラートがよく出ていました。「いまこの電車に乗っちゃダメですよ」とか。それで同じクラスのサウジ系の子たちから「ごめん、今日学校行けなくなっちゃった」とか連絡が入るんです。