裏アカ特定法「メールアドレスの…」
――たとえばどんなパターンがありますか。
久保田 メールアドレスのドメイン前をそのままIDにしている人や、ニックネームや誕生日を組み合わせたIDにしている人は多いですね。1月1日生まれのマサヒロさんであれば“masa0101”といった感じです。
他にも学校名や趣味から、友達の友達を辿って特定することもあります。特定した後は、問題となるような発信がないかどうか、閲覧できる範囲の投稿を1件ずつ人の目で確認しています。
――地道な作業ですね。アカウントはどのくらいの割合で見つかるんですか?
久保田 身元を隠していない“本アカ”や、鍵がかかっている場合も含めると、85%ほどの人に本人らしきアカウントが見つかります。そのうち7割ぐらいは、本名が書いてあったり、フォロワーに同じ学校や職場の人がいたり、投稿内容が履歴書の情報と合致しているのを確認して、本人だと判定しています。
――1件あたりどれくらいの時間がかかりますか。
久保田 アカウントの特定にかかる時間は、早ければ5分、長くても1時間程度でしょうか。
――そんなに早く見つかるんですね。
久保田 ただ、今は中途採用に力を入れている企業が増えているので、カスタマイズで学歴や職歴、登記情報や犯罪歴、破産歴などのバックグラウンドチェックがつくことも多く、そういった調査を含めるともう少し時間はかかります。価格もSNSの特定だけなら1名あたり16500円ですが、平均単価は3~4万円ほどです。
「評価が下がる」不適切な投稿内容
――てっきりSNSの特定に特化したサービスなのかと思っていました。
久保田 企業は候補者がどんな人物なのか知りたくて依頼しているので、「SNSだけでなく身辺の隅々まで調べてほしい」という要望も多いんです。一番上のプランだと、前の職場や住んでいるところまで行って聞き込みをすることもありますよ。
――ほとんど探偵のようなお仕事ですね……。
久保田 最終的にはバックグラウンドチェックなども含めて、総合的にA~Dの4段階で候補者を判定しています。不適切なSNS投稿が見つかった場合は、「問題なし」のA判定から一つ評価が下がり、B判定となるのが原則です。
――不適切な投稿というのは、具体的にはどんな内容が当てはまるんですか?