久保田 ちょうど昨日調査した20代後半の男性は、Twitterからインスタグラム、Facebook、ミクシィと一通りのSNSのアカウントが特定できたのですが、高校時代にTwitterで友人と思われる男性の全裸の画像をアップしていたのが見つかりました。こういう悪ふざけや未成年飲酒、自分が起こした交通事故の写真など、載せるべきではない画像を投稿しているのが一番多いパターンです。
――10年以上前の投稿が掘り返されることもあるんですね……。
久保田 画像以外でも、「免停になった」という報告をしていたり、風俗系やエロ系のアカウントとよくやり取りをしていたり、闇バイトのアカウントをたくさんフォローしている場合なども、“問題あり”という評価になります。
「怪しいお金の流れ」も報告書に記載
――お話をうかがっていると、問題投稿が見つかるのは男性が多そうなイメージです。
久保田 発見したアカウントのうち、不適切な投稿が見つかるのは3割程度ですが、体感的にはその7割ぐらいが男性ですね。特に最近では中途採用での依頼が増えてきているので、いま30歳前後の方が高校生、大学生の頃に投稿していた悪ふざけや未成年飲酒の画像はよく見つかります。
――女性だとどんな傾向があるんでしょう。
久保田 女性のTwitterでは、不適切画像が見つかるよりも、悪口や荒っぽい言葉の投稿が多い印象ですね。あとはインスタを調べていると、20万円前後の月収なのに麻布の高級マンションに住んでいたりと、どう考えても収入に見合わない生活をしているケースを見かけます。バックグラウンド調査で登記を取ってみると、まったく他人の男性が所持している物件だった、なんてこともありました。
――“パパ活”をしていた……ということでしょうか?
久保田 もちろん断定はできないのですが、バックグラウンド調査では家族構成まで見るので、家族の年収も大体わかります。総合的に見て説明のつかない怪しいお金の流れがある場合や、マルチ商法や自称インフルエンサーのような活動が見られる場合は、報告書に記載することもあります。
“回転寿司テロ”きっかけで判断基準が厳しく
――SNSへの問題投稿は原則B判定ということでしたが、どういった場合にC、D判定になるんですか?
久保田 D判定は犯罪歴があったり、反社会的組織とのつながりがあったりなど、バックグラウンド調査も含めて重大な不安要素があるケースだけですね。C判定は企業によってまちまちですが、最近はリテラシーを重視する企業が増えてきていて、SNSへの投稿だけでも内容によっては厳しく判定してほしいという声をいただくことが多くなりました。