――具体的にはどういう投稿に対して厳しくなっているんですか?
久保田 先ほど挙げた全裸の画像や未成年飲酒の写真を上げていたケースは、これまでは「それぐらい消したらいいよ」という企業も多かったんです。それでB判定にしてきたのですが、“回転寿司テロ”が大きな騒動となってからはC判定に引き上げてほしいという企業が増えています。他にも、悪口の投稿回数をカウントして、あまりにも多い人にはCをつけることもあります。
判定基準は企業ごと「ITだとお金にゆるくてもOK?」
――判定基準は企業によってカスタマイズしているんですか?
久保田 はい、そもそも依頼企業によって何を重視しているかは全然違うんです。金融系の企業ならその人の金銭的な経歴をまずチェックしますし、IT系の開発部門であればチームワークが重要なので人間性を重視します。
――たしかに、候補者に何を求めるかは仕事によって変わってきますよね。
久保田 たとえば破産歴のある人だと、お金を扱う仕事では信用できないですし、顧客への説得力もないですよね。だから金融系ではまずNGですし、D判定になることもあります。一方、IT系やメディアなど人間性が第一という業界であれば、過去に破産していても人柄に問題がなければ気にしないという企業もあります。
――そんなに判定が分かれることもあるんですね。
久保田 弊社の判定を実際の採用でどう活用するかも企業によって様々です。どういう傾向がある人物なのか情報として知っておきたいだけという企業もあるので、B判定ぐらいであれば入社できることも多いようです。
SNS調査は同意書をとる「ちゃんと読んでいないと…」
――とはいえ、候補者の立場になってみると、自分の個人情報を調べられている状況というのは不気味に感じます……。
久保田 もちろん、依頼していただいている企業さんには、候補者から事前に同意書をもらっていただくよう、契約の段階で取り決めをしています。なので、候補者の方は自分が調べられる可能性があることはわかるんですよ。
実際に、同意書をお願いした段階で選考を辞退する人もいるそうです。
――何か良くない心当たりがあったんでしょうね……。
久保田 逆に言えば、調査で問題投稿が見つかった候補者は、自分が調査されるかもしれないことがわかっていても、投稿を消したりアカウントを非表示にしたりといった対策を取らなかった人、と見ることもできます。
――問題投稿が見つかった候補者は、そもそも意識の面で問題ありと判断できると。