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−−今回の一連の騒動について。

「本当にご迷惑をおかけした。ここについてはお詫びするしかない」

−−HPの「ご迷惑をおかけすることがありました」について、具体的には何が「迷惑」と認識されているのか。

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「まず発表が遅れたこと、また入試問題のミスはあってはならないこと」

−−たくさん合格者を出すと言っていたが実際の合格者が少なかったことについて批判の声が出ている。

「結果的に期待に沿えない部分があったことには、本当に申し訳ないと思っています。私たちとしては、出せる目一杯までは出したつもりで、実際、定員オーバーもしています。結果論として言われてしまうのは仕方ないですが、これだけの受験者数を予測できたのかといえば、正直いって苦しい」

−−入試結果の発表がようやく昨日。なぜ1カ月以上かかったのか。しかもそのデータは概要でしかなく、ブラックボックスの印象を受けた。

「より詳細な情報はきちんと塾さんへ提供していて、そこから表に出してもらう形はとっています。業界をわかってらっしゃる方にいまブラックボックスって言われたのはすごくちょっと心外でございまして」

−−あのデータ(3月15日学校HP公表)では、「私が受けたところはどうなったのか」がわからない。

「まずは全体を知っていただく目的で今回は出させていただいた。あとは説明会等で出していきますので、ご安心いただければと思います」

−−入試の日程や種類が多いことによって一回一回の定員が小さくなる必然があった。今後もたくさんの種類をやっていくつもりか。

「これだけご批判いただいたので、今後についてはいま検討しています。ただ、多様性を重視する本校において、自分の得意で勝負できる入試が良くないって言われてしまえば、もう価値観が違いますねと言うしかなくなっちゃうんで」

新設校ブームの行方

 3月23日には塾向けの説明会が開催された。私は参加を断られたが、参加者から情報を得た。入試直前期まで「比較的多くの合格者を出す」旨の発言をくり返したことへのお詫びがあった。次年度の入試設計を変更する可能性も示された。ただし、配布されたデータは50種類の入試それぞれの顛末がわかるものではなかった。

「最近では、学校名変更に象徴されるインパクト重視の学校改革が盛んです。今回の件は、そうした流れの究極の形として現れるべくして現れたものだと思います」と塾業界関係者は言う。来年度以降の受験生親子は2023年芝国際の入試で何があったのかをよく調べ、学校選びの教訓として活かしてほしい。

 今回の「芝国際事件」は、新設校ブームの「終わりの始まり」になるかもしれない。