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ヤクルト三輪広報が明かす村上宗隆“サヨナラ打”の瞬間と、“世界一の捕手”中村悠平への熱き思い

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/03/31
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「世界一の捕手」となった“盟友”中村悠平

 7コ下の彼ですが、入団は1年違い。戸田寮では、夜間練習のあと、「連ティー」というティーバッティングの早打ちを一緒にしたり、プロに入って髪を伸ばして初めて「天パ」に気づいた彼をイジったり、ポジションは違えど、ファームで切磋琢磨した仲です。'15年にはリーグ優勝に貢献するも、その後のチームの低迷の責任の一端を負ったりもしましたが、'21年の日本一、'22年のリーグ優勝は、彼なしにはなし得なかったのは誰もが認める通りです。

 そんな中村が名だたる侍JAPANの投手のすごい球を受け続け、しかも大谷の投球に関しては「ブルペンを通しても、初めて受けた」とさらっと言ってのける。そしてアメリカの地でアメリカ代表を破り「世界一の捕手」になった。大谷、トラウト、中村、画面での並びをみて、「本当に今まで頑張ってよかったな!」とテレビの向こうの彼に声を掛けたくなるほどでした。とにかく侍JAPANの皆さんおめでとうございました!

WBC決勝アメリカ戦、優勝の瞬間ガッツポーズの中村悠平 ©時事通信社

チーム史上初のリーグ3連覇に向けての重要なピース

 さて、感慨にふけるのはこの辺までにして。今日から始まる、リーグ3連覇に向けた厳しいペナントレースの戦いについても書かなくてはなりません。

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 昨年は長岡秀樹が遊撃手として台頭、内山壮真、丸山和郁のここぞというときの活躍など、「ヤングスワローズ」が伸びてきました。やはり優勝するチームには「若い新戦力」の勢いが必要なのです。

ドラフト1位右腕・吉村貢司郎のすごさ

 そんななか、ドラフト1位の右腕・吉村貢司郎がオープン戦から力を見せつけています。オープン戦で5試合に先発、17回を投げ、防御率0.53、22奪三振と素晴らしい成績を収めました。オープン戦はあくまで「参考」ですが、やはりこの数字はすごい。開幕ローテーション入りが確実視されています。

 今年僕は、「Googleフォーム」というツールを用いて、選手へのアンケートを作りました。これは僕が現役のころからあるアンケートで、紙でかつ、アンケート内容もそろそろ変えたいと思っていたので、広報4年目にして“ITに長けつつある”僕がデータで管理できるものに刷新しました。スマホからでも回答できるので、選手からも好評。村上宗隆くんだけは少し遅れたけど、全員から以前よりかは速やかに回収をすることができました(アンケートは今後公式アプリで公開していきますのでお楽しみに!)。

 そこで目立っていたのは新人の吉村。なんと、多くの質問の回答に彼の古巣である「東芝」の製品名が入ってくるのです。家電芸人も真っ青の「東芝推し」。さすが入寮の際に「東芝の加湿器」を持ち込んだ男です。新人らしからぬ、投球術と古巣の家電を推す胆力があれば、活躍は間違いないでしょう。

期待の星・星知弥

 守護神・マクガフが抜けた、救援陣にも期待の星がいます。そう、16年のドラフト2位、7年目の右腕・星知弥です。昨季は7試合登板と苦しみましたが、今年のオープン戦は3試合、中継ぎで投げ、打者9人に対し被安打0、防御率0.00、6奪三振という見事なピッチング。150km/hを超える直球の強さが戻ってきました。僕に対してもハキハキと挨拶をしてくれて話しやすいナイスガイ。こういう選手の復活が、長いシーズンを戦うためのカギとなります。

勝利の方程式入りなるか、3年目・木澤尚文

 そしてもうひとりは3年目の木澤尚文。2年目だった昨年、登板数はチーム最多の55試合、70回1/3を投げたタフガイ。話していても「さすが慶応だな~」という発言、そして失言のなさ、立ち居振る舞い。去年はビハインドでもリードしていても投げていましたね。中継ぎで9勝は、ビハインドや同点の登板でもしっかり抑えていたという証拠。今年は勝ちゲームでの終盤の登板を期待します。

 今シーズンから待ちに待った声出し応援の解禁。3年目の木澤もそうでしょうが、神宮での声を出しての応援を全く体験していない選手もいます。それこそ無観客も経験してきた選手ですから、「声出し解禁」の球場はきっと違った景色に見えるはず。でも、やはり生の声援やトランペット、太鼓あってのプロ野球。みなさんには業務で球場裏にいる僕の“訓練された耳”を驚かすような“声燕”を選手にかけていただき、背中を押していただけるよう、おねがいいたします。

 球団史上初のリーグ3連覇、そして日本一奪還へ。さあ、行こうか!

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