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山本由伸も佐々木朗希も大谷翔平も実は…WBC日本代表「パワプロ」最新データに見る“選ばれた共通点”

2023/04/02
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あれ、侍ジャパンの投手って、意外と上位にでてこない…?

 一方で、侍ジャパンのメンバーでは74の戸郷(巨人)がいるものの、実は意外とここも姿が少なめです。

侍ジャパンのなかでは戸郷がいるが…

 こうやってデータを一人一人見ていくと、今回の代表チームは、海外のパワーヒッターに対抗するために、コントロールよりも、そもそもバットに当てられないような速球を投げ込める投手を集めているようです。投球数にも制限がありますし、優れた投手が豊富なので、継投をすればよい……ということなのかもしれません(実際決勝のアメリカ戦でも9イニングで7人の投手が登板しています)。

 優勝という結果からするとその作戦は大当たりでした。他方で、WBCでチェコの軟投派投手が打者・大谷を抑えたように、コースや緩急で強打者を抑え込むのも野球の魅力の一つですから、次のWBCではコントロール派の投手たちの活躍が見られるかもしれません。

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続いて打者編。最もパワーがあるのは…

 続いて打者編です。ミート能力では、セ・リーグ最多安打の佐野(横浜)が71、パの首位打者・松本剛(日ハム)が70でした。侍ジャパンのメンバーでは、三冠王の村上(ヤクルト)が60、ソフトバンクへFA移籍した近藤と阪神の中野が61でした。

代表でも有数のミート力と評価されている中野

 パワーのトップはもちろん「村神様」で、ぶっちぎりの92。同じ侍ジャパンの山川(西武)が83で続きますが、80台はサンタナ(ヤクルト)やギッテンス(イーグルス)などの外国人勢が多数を占めます。

不振からの復活が印象的だった村上は開幕戦でも早速ホームランを放った

 それ以外の総合的な能力を見ていくと、侍ジャパンのメンバーには高いレベルでバランスの取れた選手が目立っています。岡本(巨人)はパワー76、捕球71。牧(横浜)はミート57、パワー73、肩力78。山田(ヤクルト)はパワー72、走力81、守備力76という具合です。複数のポジションを守れる選手も多いですね。

 その中に、スペシャリスト的な選手を加えています。守備力が89の源田(西武)、走力が96の周東(ソフトバンク)で、この二人の能力は全選手でトップ。「甲斐キャノン」でおなじみ肩力91の甲斐(ソフトバンク)もいます。

骨折をおしての気迫のプレーが目立った源田
強肩ぶりが印象的な甲斐

 ハイレベルな万能系の選手ばかりだと似たタイプになるので、スペシャリストの選手も入れて、戦術的な幅を持たせているように見えます。ここにも侍ジャパンの考え方が出ているのかもしれません。