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 社員は女性でも男性でもたとえば朝7時に出社したとする。まず、子どもを社内託児所に預け、早朝出勤者には無料で提供される軽食をとって、業務を開始する。この勤務スケジュールなら、午後3時過ぎでも帰れます。〉

朝型勤務で生産性も5倍以上に

 注目すべきは、出生率の向上だけではない。働き方改革で朝型勤務を推奨した結果、会社の業績そのものも大幅にアップしたというのだ。

岸田 従来の日本企業文化、それこそ岡藤さんが「猛烈サラリーマン」としてバリバリ働いておられた頃とは職場の雰囲気が様変わりしたんじゃないですか。

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中野信子氏 ©文藝春秋

岡藤 昔は上司が居るとなかなか帰れませんでしたね。でも今では、午後3時に部下が上司に「お先です」と言って、子どもを連れて帰るのは当たり前の光景になりました。早く帰れば、家族と一緒に食事ができる。自己研鑽にも励める。働き方改革で一気に出生率が上がりました。出生率だけじゃなくて、当社の利益も10年間で5倍に(1600億円→8200億円)、株価と時価総額が4.7倍に、一人当たりの労働生産性も5.2倍になった。

岸田 朝型に変えて業績が上がった。さらに子育てにもプラスになった。まさに企業文化が変わったことによって大きな効果が出ている例ですよね。こうした先進的な取組みが広がり、職場が変わっていくことが大切です。政府としても、男性の育休取得率の開示を進めて、取組みが進んでいる会社が広く認知され、企業文化の変革を競いあうような環境を作っていきたいと思います。〉

「芸術家タイプ」に変わった脳波

 さて、こうした話をしているとき、岸田首相の脳波はどうなっているのだろう?

 座談会が始まった直後、中野氏はこんな分析をしていた。

中野 岸田さんは現状、青色で示されるアルファ波が優位です。大勢の方が見ている場でこうしたパターンになる人は、そう多くはいません。岸田さんはいろいろな雑音があってもあまり動じないタイプなのでしょうか。〉