バス所有は「古いベンツに乗ってます」くらいの勢い
法令的にいろいろとハードルが高そうに見えるけど、案外なんとかなることが多くて。大雑把に言ってしまうと、免許と停める場所があれば、ちょっとお金がかかるぐらいで。「古いベンツに乗ってます」みたいな勢いなんです。
だから、そんなに身構えることなく、すんなりここまでやれてしまったというのが正直なところですね。でも、やっぱりお金はかかるな。
ーーこれからバスで行きたいところ、やりたいことを教えてください。
わすこ もっといろんな場所に、このバスを連れてってあげたいってのはありますね。高速に乗れないので、行くとしても近場になっちゃっているんです。日帰りじゃなくて、何日かかけて出かけるのもいいかなって。
ちょっと前にセンパイと、なぎさドライブウェイに行きたいなって話をしてたんです。石川県にあって、海岸線をずっと走れるまっすぐな道路なんですけど、そういうところを走ったら、かっこいいじゃないですか。
センパイ 全国各地に行きたいよね。僕としては、やっぱりバスは広いので「次はキャンピングカーにしてみよう」とか、そういった創作意欲に駆られますね。
まさにいま、改装中というか寸法出しなどをしているタイミングで。後ろの座席を外して、和室みたいにしちゃおうと思っています。「コタツでも置こうかな」みたいな。
車に部屋を作る方は多いですけど、洋室が目立つので僕らは和室にしちゃおうって。道の駅で美味しいものを買ってコタツで食べるとかいいですし、和室なんで布団を敷けば寝られるのでベッドを作らなくて済みますし。
ーーそういえば、中古タクシーも持っていますよね。
センパイ これもヤフオクで購入しました。26万キロ走ってるので、車両価格は20万円しなかったですね。普通に自家用車として使っていて、こないだも北海道から九州までザーッと走りました。
わすこ 途中で故障することもなかったよね。
センパイ 日本のナンバープレートを国際ナンバーにすれば、そのまま外国で走れるんですよ。なので、中古タクシーでヨーロッパを横断しようかななんて考えていました。ロンドンタクシーが行き交うなかを、日本のタクシーが走っているのも面白いなって。
ーーバスを所有してみて良かったことって、なんでしょう?
センパイ YouTubeを一緒にやっていて、それがふたりの仕事みたいになるんですよね。バスがきっかけで、そういう状況になっているのが良かったなって。
わすこ そうだね(笑)。
センパイ お互いの絆が深まったのはあるんですよ。あと、なんかギスギスすることがあっても、「家に帰ればバスがあんだぞ」って心持ちになれる。大型車だけに、心に余裕が出ました。
わすこ 私は、大型免許が取れたことになりますね。この先バスの運転手にもタクシーの運転手にもなることができるので。大型を取れば、ほぼなんでも運転できますから。なんだかんだ教習所もすごく楽しかったし、バスの運転が日増しに身についてきてるなって思いますね。
写真=榎本麻美/文藝春秋
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。