1ページ目から読む
3/3ページ目

「事故の一報を聞いてから今日に至るまでの気持ち、自営でやっていた新聞店を畳んで第二の人生を謳歌しようとしていた両親の無念、被告の裁判での主張がどれだけ私たち遺族の気持ちを逆撫でして傷つけているのかなどを訴えました。

 文春オンラインの前回の記事を読んで傍聴に来られた方がいらっしゃったのですが、その方によると私の陳述中に岩瀬被告は時折、首を横に振っていたそうです」(同前)

レッカー後の事故車両(遺族提供)

被害者遺族に向き合おうとせず、量刑だけしか考えていない

 星野さんの陳述後、検察官より禁錮4年が求刑された。そして、被告弁護人が冒頭のように“執行猶予”を求め、第3回公判は閉廷した。

ADVERTISEMENT

「弁護人は『倫代さんが回復したことも被告人に有利である』『子供の勉強を被告がみており、服役になったら家族が困る』と主張しました。子供に罪はないですからその点は胸が痛みますが、そもそも母は生還できたこと自体が奇跡と言えるほどの大怪我を負いました。足の一部は壊死してしまい、手術も行っています。いまも入院しながら懸命にリハビリをしているんです。

 ここまで回復できたのは、医療関係者の方々のご尽力、そして母の並々ならぬ努力のおかげです。それなのに、この期に及んで、母の容態までも裁判の材料として持ち出して減刑を図ろうとする被告、そしてその被告弁護人に激しい怒りを覚えます。よくそんな発言ができるものだとしか言いようがありません」(同前)

2021年5月、西表島を訪れた山本夫妻。第2の人生をスタートさせたばかりだった(遺族提供)

 判決は4月19日、京都地裁で下される。被害者遺族に向き合おうとせず、量刑だけしか考えていないかのように見える被告らはいま何を思うのか。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。