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取調べで明かされた“驚愕の事実”

 翌日の10月30日も取調べに応じるよう依頼された。水曜日のこの日も休みだったので、午前10時に検察庁へ出向く。

 会うなり、

「はい、これ返すわ」

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 と言って携帯電話を差し出してくる。

「ちゃんと約束守ったやろ」

 その日のうちに返すと言っておきながら、丸1日預かったにもかかわらず、山口検事はそう言ってのけた。

(こいつホンマもんのアホちゃうか。約束守ってへんのに、守ったって言い張りよる)

 と思ったものの、少しでも拘束時間が長引くのはイヤだったので言い返さなかった。

※写真はイメージです ©iStock.com

いかにも怪しげな資金使途

 この日も雑談を交えての聴取だったが、途中で山口検事が切り込んできた。

「社長、あのな、昨日から貸し付けた18億円の資金使途が学校の再建費用やとか、移転に使うお金やって聞かされた言うてはるけど、小森さんや山本さん(編集部注:事件に関与した不動産会社社長)は買収資金やって伝えたと言ってるらしいでぇ」

 いったいなにを言っているのか理解できず、

「えっ?」

「学校の経営権を握るためにお金を貸してくれと伝えたって言うてはるんよ」

「学校の買収資金?」。いかにも怪しげな資金使途である。

不可解なお金の流れが明らかに

 移転費用などの「学校の再建資金」というもっともな理由があったからこそわたしは金を出したのであって、よくわからない「買収費用」に使うなんて聞いていたら、金を貸すわけがない。そんなことに使ってしまったら、18億円が消えてしまう。

「ボク、そんなん聞いてませんよ。小森と山本さんに、ちゃんと話を聞いてもらえませんか。とくに小森はちょっとボケたところがあって、ハッキリ物事を言わんとこがあるんで、こっちから筋道立てて聞いてあげんといつまで経ってもなに言うてるかわからんのですわ」