売り上げの低下だけが原因なのか
そこからおよそ15年間、AKB48との蜜月を続けてきたキングレコードだけに、今回の移籍に衝撃を受けた関係者は多いようだ。ではなぜそれだけ深い関係だったキングレコードを離れざるを得なかったのか? グラビア誌などで女性アイドルを担当するライターは「様々な事情から契約更新に至らなかったようです」と落胆する。
「キングレコードと、AKB48の現在の運営会社、株式会社DHとの関係はギクシャクしていました。2020年からNMB48、HKT48などの姉妹グループと運営が分社化して以降、基本的にはAKB48のシングルに姉妹グループのメンバーが参加しなくなった。必然的に2021年リリースの58thシングル『根も葉もRumor』から売り上げが激減したんです」(グラビア誌ライター)
売り上げの低下だけが移籍に直結したのだろうか。
15年間で生まれた“歪み”
「AKB48全体の勢いも落ち、DHも台所事情が徐々に苦しくなっていった。CD売り上げから得られる利沢を少しでも増やしたいとキングレコードに伝えたそうです。キングレコードからすれば、そもそも全体の売り上げが下がっているのだから厳しい提案ですよね」(同前)
15年間の歴史でさまざまな“歪み”も生まれていたという。
「AKB48運営がキングレコードに一任してきた事柄があまりにも多いんです。中には丸投げと表現してもいいようなものもありました。握手会や毎年の選抜総選挙はCD販売に紐付くイベントなのでしかたない部分もあるのでしょうが、音楽番組でのプロデューサーやディレクターとの打ち合わせを始めとした仕切りに、イベントやライブごとのテレビや新聞媒体への広報業務に……。絶頂期のキングレコードスタッフの忙殺ぶりは見てられないほどでした」(同前)