平成以降のシリーズを中心に数々の「仮面ライダー」のプロデュースを手がける白倉伸一郎氏。最新作『シン・仮面ライダー』公開を機に、東映の「仮面ライダー」を守りつなげてきたひとりとして、シリーズに向ける熱い想いをうかがった。
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1971年から50年間、東映が守りつなげてきた「仮面ライダー」シリーズ
――まず仮面ライダーにどういう印象をお持ちでしたか?
自分は最初の『仮面ライダー』を放送第1話から観ていた昭和ライダー世代なので、仮面ライダーとともに歳をとってきたところがありますよね。
その後、『仮面ライダーBLACK』でシリーズが復活し、かつての仮面ライダーとはテイストもつくり方も違うもので新しい風を感じました。
――『BLACK』には、過去の仮面ライダーと異なる世界観の作品として企画され、原点回帰を目指しつつも同時に新たな仮面ライダーを立ち上げるという気概を感じました。
それに対して『仮面ライダーBLACK RX』では、マーチャンダイジングがかなり意識されて、作品のテイストもそれまでの暗いムードと違ってどちらかといえば「ジャンプ」ヒーロー的な明るさを目指したりしていました。
作風にせよビジネスのスキームにせよ、だいぶ様変わりさせようとしていた。そのなかで番組終盤に先輩ライダーたちが総登場し、オールドファンをもう一度囲い込もうとしたり、視聴者としては、正直迷走してるんじゃないかという印象も持っていました。