文春オンライン
文春野球コラム

元阪神タイガースWomen・高塚南海が綴る、女子野球の選手たちに今伝えたいこと

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/04/11
note

 読者のみなさま、はじめまして! 元阪神タイガースWomenの高塚南海です。

 私は昨シーズン限りで18年間続けてきた野球を引退した元女子野球選手です。自己紹介がてら、まずは簡単に自分の野球人生を振り返らせて頂きます。私は小学3年生のころに父と兄の影響で野球と出会い、中学までは男の子の中に混ざって切磋琢磨して、高校は京都両洋高校女子硬式野球部の1期生としてプレーしました。卒業後は進路に迷いつつも監督や家族、周りの方々に背中を押してもらい、女子プロ野球のトライアウトに挑戦。夢だった女子プロ野球選手になることができました。

 女子プロ野球時代は育成からスタートしたのですが、トップチームのレベルの高さを感じて伸び悩んだ時期もありました。ただ、トップチーム昇格後には新人賞、ベストナイン、翌年に本塁打者賞をいただき、女子野球界のトップの環境、指導者に巡り会えたことは本当に良い経験だったと思っています。

ADVERTISEMENT

球団創設の2021年から2年間、阪神タイガースWomenでプレー(写真提供/高塚南海)

2021年に誕生した『阪神タイガースWomen』初期メンバーとしてプレー

 その後、女子プロ野球リーグの継続がむずかしくなり、進路に迷っているときに阪神タイガースに女子チームができることを知りました。そして2021年、『阪神タイガースWomen』の初期メンバーとしてプレーする機会を頂き、2022年に阪神甲子園球場で現役を引退しました。

 私の野球人生を阪神タイガースのユニフォームで、そして甲子園球場で幕を閉じられたことを誇りに思っています。

2022年11月13日に甲子園球場で行われた全日本大学選抜チームとの壮行試合が、引退試合になった(写真提供/高塚南海)

 2021年から、女子高校野球の全国大会決勝は男子と同じ甲子園球場で行われています。それまで、女子高校球児は甲子園を目指すことすらできなかったけど、今はそれができるようになりました。阪神タイガースに女子チームができたことも、きっと大きなキッカケになったと私は思っています。

 そして、女子プロ野球が無くなってしまっても、野球をやっている女の子たちが男子のプロ野球選手と同じユニフォームを着ることを目指せる環境になったことを、本当に感謝しています。

 野球人口は年々減っていると言われていますが、実は女子の野球人口は増え続けています。女子硬式野球部を持つ学校が年々増加し、大学野球、社会人野球、クラブチームのレベルも上がってきています。

 現役時代、タイガースで活躍している選手の方たちと小学校を訪問して野球教室をしたりする中でも、女の子が野球をするのが当たり前になってきているのを実感しました。現役選手やOBの方々が実際に学校に来てくれて、それを間近で見た子どもたちのキラキラした目に、野球選手はこんなにも子どもたちや、大人にさえ夢を与えられる素敵な職業なんだなと感じました。

文春野球学校開講!