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開幕ダッシュに失敗した“高齢ジャイアンツ” 暗闇から這い上がる“中田翔”という希望

文春野球コラム ペナントレース2023

 1986年10月23日生まれ。

 筆者である私、後上翔太の生年月日です。

 野球選手で言えばダルビッシュ有投手(パドレス)や涌井秀章投手(中日)が同級生。中には各球団でコーチを務めている方も数多くいらっしゃいます。

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 今年のジャイアンツの開幕スタメンに目を向けると、全選手が年下。そんな若きジャイアンツですが、開幕1軍選手の平均年齢29歳は12球団で最も高いのです。

 あー、自分も歳をとったなーと感じるとともに、「株式会社プロ野球」の圧倒的な年齢の若さにアスリートの厳しさを感じずにはいられません。

その時は突然に

 確かに開幕前の評論家のみなさまの下馬評を思い返すと「ベテランが多く、昨年からの戦力の上積みが乏しい」という趣旨のコメントとともに、3~4位予想が圧倒的に多かった記憶があります。

 しかし、我がジャイアンツのベテランは単なるベテランではありません。年齢上位の選手に目を向けると、最年長の中島宏之選手をはじめ新加入の松田宣浩選手に復帰の長野久義選手と、多くの選手が侍JAPANの経験者。

「全員が全盛期に戻ります!」……というボタンを押せるとしたら、超巨大戦力で優勝間違いなし! と小躍りしたくなるメンバーです。現実にはそんな都合のいいボタンは存在するはずありませんが……。

 寄る年波には勝てない。確かに名選手の成績が「ガクッと急下降」するタイミングは存在します。今はジャイアンツの三軍コーチを務めておられる魂のフルスイング・小笠原道大さんは38歳の2011年に、沢村賞投手の杉内俊哉さんは35歳の2015年に成績が「ガクッと急下降」しました。

 世間的に見れば30代はまだまだ若手。私ごとですが純烈というグループは平均年齢が40歳を超えながらも、偉大な大先輩方の中で若手的な役割もしながら活動しています。

 プロ野球界では同級生どころか年下の選手ですら「衰え」と戦わなくてはいけない。今年のジャイアンツを見ていると、その厳し過ぎる現実をひしひしと感じるのです。

 開幕ダッシュに失敗し、絶賛最下位争い中。いやいや、まだ4月。すぐに連勝して借金は完済、順位は上昇するに決まってる! そんな風にポジティブに応援しているG党はたくさんいらっしゃると思います。

 しかし、目の前の現実はなかなか受け入れ難い部分もあるのではないでしょうか? G党が誇るスペシャルなショート・坂本勇人選手はたびたびスタメンを外れ、広島時代から「1人5連覇」をした丸佳浩選手も打率が1割台。2年連続沢村賞の菅野智之投手は怪我で登板0。

 30歳を超え、衰えがくるタイミングは悲しいけれどある。あるにはあるけれど、よりにもよってこんな同時に起こらなくても……。ため息混じりにジャイアンツ戦を眺める瞬間が増えているのは、私だけではないはずです。

 気分が高まる瞬間は、岡本和真選手を筆頭に戸郷翔征投手や大勢投手など20代の選手の活躍を見ている時ばかり。

 ちょっと待った!!!

 30代にしてチームの主軸に座り、まばゆい希望を見せてくれる選手が俺たちにはいる。開幕から全試合にスタメン出場して、リーグ最多の5本塁打を放っている中田翔選手。坂本選手の1つ下で丸選手、菅野投手の同級生。数多くのタイトルを手にし、侍JAPANでも活躍したスーパースターです。

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