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畑正憲さん:
開拓団の人には、突然、ソ連軍が襲ってきたんですって。それでね、みんなで逃げたんですって。そうしたら野原でしょう、とにかく歩き疲れて、穴を掘って、そこに子どもや年寄りや病人を入れて銃殺したんです。だから僕の友達なんかも銃殺されたんじゃないかなと思うと、情けなくてね…。本当に辛いですよ、友だちがひとりもいないんですもん、そのころのね
人にも動物にも優しい笑顔で接する畑さんが、胸の奥にしまい込んできた「暗い記憶」。自らの体験を振り返りながら、今を生きる私たちに静かに訴えかける。
畑正憲さん:
今、ああいう経験をする人はいないでしょ。あの地獄のようなね。戦争というのは、人間の倫理観や感情、そういうものを全部押しつぶす、ぶった切って、あんな無残なものはないですね。人類がやっていけないのは、一番やってはいけないのは戦争。戦争だけはどんなことがあっても阻止しないと
そう語った畑さんは、遠くを見つめた。そこに、まるでかつての友だちがいるかのように…。
(テレビ西日本)