教職員とは思えぬメッセージの数々に「なりすまし」を疑う声も
「開示請求に対しては、黒塗りだらけで開示されるか、文書はあるが個人情報を含むので開示できないという回答を寄越すのが役所の常です。有無すら答えられないというのは違和感がありますね。ネット上では隠蔽ではないかと指摘する声があるようですが、そう考える気持ちもよく分かります。昨今のSNS時代、報道や内部告発ではなく、なんの前触れもなくいきなりぽんっと情報がネットに出てしまうケースは多々あるわけで、従来の行政の対応では遅すぎるという問題も浮き彫りになりましたね」
事実ネット上では、教職員とは思えぬメッセージの数々に「なりすまし」を疑う声も多い。だが、X本人や学校、教育委員会からは否定も肯定も含め、今に至るもなんの発信もない。
Xの実家を訪れると、困惑しながら母親が取材に応じた。
「詳しいことは分かりません。スマホは一応持っていますが、SNSの炎上なんて分かりません。Xの妹にあたる娘に聞くと、生徒さんにちょっとした悪ふざけをしたという認識らしいんですが……不適切なメッセージを送ったのは事実であるようです」
本来、教え子とのメールや情報交換は原則禁止されている
母親は涙を流しながら続ける。
「被害者さんもいる中でこんなこと言うのもどうかと思いますが、ちょっとしたことで何もかも全部曝け出されて、心外な部分はあります。いったんネットに流れちゃうと、一方的でどうしようもないんです。ただ実際に会った人はいないみたいで、本当に冗談のつもりで、ふざけてやってしまったようです。なんでこんなバカげた冗談を言ったのか……。息子はこれまで教師になるためだけにずっと頑張ってきたのに、それを棒に振るようなことをして……。記者さんにもこの件は触れないで、そっとしてほしいのが本心です。いまは処分を待つだけだと思いますが、これで何もかも奪われてやり直せなくなるかと思うと……」
宮城県教育委員会に事実関係について問うと「現在、事実関係を確認中であり、回答できる内容はありません」という回答だった。また、県教委によるとXは「通常勤務はしておらず、生徒との接触はしておりません」という。また、教員と教え子や元教え子の関係について問うと、「メールや情報交換は原則禁止されています。情報共有しなければならない場合には、その都度管理職の許可を得ることとしています」との回答だった。
直接の身体的な被害は確認できていないが、A子さんやB子さんの精神的なダメージは大きい。そのことについて、Xや県教育委員会は深く反省し、再発防止に努めるべきだろう。
A子さんに卑猥なメッセージを送っていたXの携帯を鳴らしたが、電話にはでず、折り返しもなかった。