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《「厳しい闘病中」のため対面取材はかなわず、インタビューは(3月)8~11日に書面を介して行った。記者は、病床にあってなぜいま反対の声を上げたのかを問うた。坂本さんは「後悔しないように」と、思いの丈を綴った。》

 坂本さんは共同通信の書面インタビューにも応じ、その記事は亡くなった後に配信された。たとえばこちら。

『イチョウ並木を守れ 坂本龍一 神宮外苑再開発に反対します』(日刊スポーツ3月30日)

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 坂本さんは事業を認可した東京都の小池百合子知事に手紙を送っていた。この「明治神宮外苑の再開発」ではあらたに外苑内の1000本近い樹木が伐採される問題が注目されている。※昨年5月の当コラムで流れをおさらいしています。https://bunshun.jp/articles/-/54395

©文藝春秋

なぜか静かな保守派の二紙

 そもそも、明治神宮は、明治天皇と妻の昭憲皇太后を祀る社殿がある「内苑」、国立競技場などの施設がある「外苑」から構成されている。外苑は、明治天皇と昭憲皇太后の遺徳をしのぶため、国民からの寄付、献木、勤労奉仕という民間の力で整備されたという歴史がある。そういう歴史のある樹々を再開発というビジネス優先のために「切ってしまう」?

 私が不思議なのは保守派と呼ばれる読売や産経がこの件について静かなことだ。新聞のキャラでは「原発」で見解が分かれるのは予想できたが「神宮外苑再開発」問題では意外に思える。保守は歴史と伝統を大切にするイメージがあるからだ。

 小池都知事が保守派ではないことは以前から薄々感じていたが(目先の利益優先派に思える)、保守を自認する新聞が神宮外苑再開発問題におとなしいのは不思議です。

 以上、坂本龍一さんの追悼記事の読み比べであらためて気づいた点でした。