一部のマナーの悪いファンによって混乱した列は消化されず、ライブ会場への入場が始まった16時ごろに悲劇は起きた。
「会場の一塁側にある21ゲート付近に、少しでも早く入ろうとする人が大量に押し寄せて、満員電車のようにどんどん圧迫されていったんです。私も21ゲートの前にいたんですが、人が波打つように揺れ出して、身動きが取れなくなったとおもったら、酸欠になる人や顔面蒼白になって倒れる人がバタバタと……。韓国人の男の人が『これじゃ梨泰院だ!』と叫んでいて、その場に泣き崩れている女の人もいました。それを聞いて“梨泰院ハロウィン事件”を連想して、『もしかして死ぬの?』と怖くなりました」(A子さん)
4月8日のライブ当日、文春オンラインの記者も会場に居合わせた。21ゲートに人が集中しはじめてから約1時間後に複数のファンが倒れ、救急車が水道橋駅側の道路に2台停車し、担架に乗せられたファンが人混みをかき分けて搬送される姿を目撃している。それでも混乱は収まらず、17時ごろには救急車がさらに2台、警察官も現場に駆けつける事態に。
「前は動かないし、後ろの人はグイグイ押してくるし、最悪」
そんな状況に対して、A子さんはためらいがちに「ライブ運営側にも責任があるのでは」と口にした。
「BLACK PINKのライブは海外でも、だいたい30分くらいは開始が遅れるんです。ファンもそれを分かってるから合わせてギリギリで会場に来る人もいるし、数時間待ってやっとグッズを買えた人の中にはイライラしてる人も多いんです。そういう人が次々に押し寄せて来て、警察が来た後も混雑が収まる気配はありませんでした。さらに、外国籍の方々が割り込んで来て……。開演まで2時間以上ゴタゴタした空気が続いて、ライブの開始も結局50分ほど遅れました」
混雑の原因は、電子チケットアプリ「AnyPASS」が起動せずスムーズに入場が進まず、後ろから人が押し寄せたことで前方の人が後ろから押し込まれたことだという。
「前は動かないし、後ろの人はグイグイ押してくるし、最悪でした。もみくちゃになっていた中には小さい子もいて、それでも後ろからは『押せ! 早くしろ』などの罵声が聞こえてくる。スタッフも列を整理したり全然してくれないし、ちょっと体制がおかしいんじゃないでしょうか。この騒動を知って、翌日のライブの参戦をやめる友人もいました」(同前・20代女性ファン)