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「毎月お金がチャリンチャリン」懲役10年の男性受刑者が“ナゾの外国人女性”と獄中結婚…刑務所で行われた“闇ビジネス”の世界

『それでは釈放前教育を始めます! 10年100回通い詰めた全国刑務所ワチャワチャ訪問記』より #1

2023/04/16

genre : ライフ, 社会

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 そういう意味でAの知り合いの外国人女性は何の心配も気兼ねもなく日本で働いて稼げますので、当然旦那さんであるBには毎月の振り込みが、ガッパガッパ、いえチャリンチャリンと入る仕組みです。これを「三方よし」と言うのか「知らぬが仏」と言うのかは知りませんが、視点を変えれば、形式的であっても婚姻届を提出し入籍すれば夫婦関係になれますし、約束通り毎月送金してもらえればそのお金は刑務所で預かってくれます。

 もちろん送金が突然来なくなっても文句を言いに行くところがないかもしれません。ここはリスクですね。逆に「もういいわ」と思い、Bから離婚の手続きをしようと思っても、大変だと思います。なかなか別れてくれないと思います。

出所後、加害者家族の弱みを狙う受刑者

 またこんな話もあります。

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 刑務所の中で仲良くなって、電話番号やメール、中には自宅や実家の住所を交換して「出所後も仲良く力合わせて、生きて行こうな!」などと言っておいて、先に出所して、聞き出していた住所を訪ね、出てきた奥さんや両親に言葉巧みに欺き「お金を貸してあるので全額でなくてもいいので、少しでも先に返してほしい」などと言い寄って現金を巻き上げるやつがいます。

 または、「少しでも早く(私のように)仮釈放が出るように動きますので、少し資金援助してください」などと言って金を巻き上げる輩。人の弱みに付け込んでの悪事を働く者です。

 残された加害者の身内・家族(「加害者家族」と呼ばれます)の弱みを狙うとは卑劣です。収容されている者を持つ家族は辛い生活を強いられています。実際、当事者は刑を執行され、刑務所にいるのですから、残された加害者家族の中には引っ越しを余儀なくされることも多く、そうなれば子どもも転校です。また離婚して名字を変える人も出るほどです。