孫は自殺、嫁いだ娘たちは入院、妻にも先立たれて…
近隣住民らによると、砂渡さんが可愛がっていたという前出とは別の孫は、高校から東京に出たが大学生の時に自殺、娘たちは嫁いでいったが、精神的に不安定で病院に入院しているという。妻にも先立たれたあげく、“村八分”となった砂渡さんは長く1人で暮らすようになった。
それに輪をかけて起こったのが、5年ほど前にあったという砂渡さんの自宅の火災である。火事で全焼してしまったというが、その時にもムラでは様々な憶測が飛び交ったようだ。
「火事の原因は、実際のところ、今もよくわかっていません。火の不始末が原因だという人もいれば、『恨みを買って放火された』とか『自分で火をつけた』という人もいます。なかには『氏神の祟りだ』という人もいましたね……。私は今回の事件は、好彦さんだけが悪いとは思っていません。こうして陰口を叩いて、砂渡さんを村八分にしようとした人たちにも、ある意味では責任の一端があるのではないでしょうか」(前述の近隣住民)
周囲からは幸せそうに見えていたという十文字一家と、晩年の評判は悪かったという砂渡さん。だが、90歳を越えた男性が灯油を撒き、火を放つまでの理由はあったのだろうか。
この地で生まれ育ったという近隣住民女性は「“財産分与”も理由の1つかもしれませんが、それよりもずっと根は深い」と話す。どうやら十文字一家と砂渡さんとの間には、一族同士の積年の遺恨があるようなのだ。
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