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下道での迂回は効果薄?

 もちろん、上のような情報を参考にピーク時間帯を避けたとしても、事故や故障車による混雑に巻き込まれる可能性は否めない。想定外の足止めにイラ立ち、ついつい下道に降りたくなることもあるだろう。しかし一般的に、場当たり的なルート変更はリスクが大きく、成功の目が少ない「分の悪い賭け」になる。

 下道よりも渋滞中の高速を進むべき主な理由として、「車速の高さ」が挙げられる。高速道路上の渋滞は、巡航時に比べ速度の落差が大きく、体感として「いつまでも進まない」ような気分になってしまう。しかし実際に平均車速をみると、一般道と遜色ないペースで進んでいることが珍しくないのだ。

 たとえば5月3日、関越道下りの高坂SA付近で予測されている渋滞は最大30kmであり、通過に1時間を要する見込みである。平均車速にすると時速30kmであり、これは埼玉県(さいたま市除く)の一般国道を昼間の混雑していない時間帯に走るペース(時速30.9km)と同等だ。*1

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*1 平成27年度 全国道路・街路交通情勢調査一般交通量調査(旅行速度整理表)

 その他の渋滞区間をみても、概ね時速20km~25km程度のペースは維持できるものと考えられる。これはおおよそ、昼間の混雑していない時間帯に商業地域の国道を走るペース(全国平均:時速22.7km)と同程度とみておけばよいだろう。

 著しく車速が低下する渋滞としては、名神高速下りの旧山科BS付近や、上りの大津IC付近、中央道上りの小仏トンネル付近などがあり、ピーク時で時速12km~15kmになる。これは東京23区の商業地域を混雑時に走行するペース(時速13.8km)に近い。

 こうした数字をふまえると、下道に降りる戦略が奏功するケースというのは限られていることがわかる。一般道においても大規模な混雑が予想されるゴールデンウイーク期間であればなおのこと、インター付近での渋滞なども影響し、かえって到着時刻が遅くなることも十分に考えられる。