大型連休を故郷や行楽地でお過ごしになられると、どうしたって回避できない問題がある。言うまでもなく、混雑である。飛行機に乗ろうとすれば保安検査場は長蛇の列で2時間待ちと言われ、新幹線でと思っても指定席はとうに満席、自由席に座りきれない人が通路に溢れている。
ならばとクルマを使ったら、これは細長~い駐車場ですか?と言いたくなるくらいにビクともしない大渋滞。故郷や行楽地での楽しい時間と引き換えに、混雑や渋滞というものを受け入れざるを得ないのだ。
そして、ここからは東京の人のお話になる。東京から西に向かってクルマで出かけた人たちは、またクルマで戻ってくる。高速道路を使う場合、大きく分けて2ルート。ひとつはユーミンでおなじみ中央フリーウェイ、そしてもうひとつは東名高速道路だ。
東名高速道路を西から東京に向けて入ってくると、これまたどうしたって回避できない場所がある。東名高速道路を走ったことがある人の、脳裏にべったり張り付いて離れないあの場所。そう、「用賀」である。
そもそも「用賀」はどこにある?
用賀というのは、東名高速道路の起点にあたる。起点とは、裏を返せば終点でもあるので、西からやってきたら東名高速道路の旅は用賀で終わる。そしてそのまま、首都高速道路に入る。
用賀で東名と繋がっているのは、首都高渋谷線。玉川通り、国道246号の真上を走り、三茶や池尻大橋を通り、渋谷駅のすぐ脇を抜けているあの高速道路だ。上り線(つまり都心方面に向かう場合)には首都高の入口として用賀料金所も設けられている。もちろん一般道と接続する用賀出入口もある。用賀、用賀、用賀。東名高速道路を使うなら、まさに避けては通れない地名なのだ。
そこで、用賀っていったいどこなんですか、という話になる。東名高速道路でいえば東京料金所を通り過ぎてしばらく経ったところ、という感覚で、ここから首都高に入っていよいよ東京、帰ってきたねえ、と思うような場所である。
地図を眺めると、その東名の用賀のすぐ近くに、東急田園都市線の用賀駅もある。世田谷区の南の端っこ。すぐ近くには二子玉川があり、さらに都心側の隣の駅はサザエさんでおなじみの桜新町だ。
そうした用賀という町は、いったいどんな町なのだろうか。高速道路に乗っていたら、ただの通過点に過ぎない(人も多い)、用賀の町を歩いてみた。
田園都市線“渋滞でおなじみの通過駅”「用賀」には何がある?
ひとまず、いつものように電車に乗って用賀を目指す。田園都市線の用賀駅は急行が通過、準急は停車する、絶妙なポジションにある駅だ。各駅停車(準急も二子玉川駅までは各駅停車)なら、渋谷駅からおよそ12分。いちおうは郊外に属するのだろうが、都心からだいぶ近い郊外の駅のひとつだ。