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 実際、駅から少し遠ざかってみると、どの方向に向かって歩いてもすぐに町並みは住宅街に変わる。駅から南側に歩けばすぐに高速道路の高架が見え、南東方面に行くと玉川通りの直上から北西に首都高が分かれていくダイナミックな場面も見られる。

 そして、そうした大動脈の周りにも、マンションや戸建ての住宅が敷き詰められている。世田谷区の人口は90万人以上。東京23区ではもちろんナンバーワンで、全国の市区町村の中でも13位に入る。そんな世田谷の、住宅地としての凄みは用賀の町を歩いているだけでも伝わってくるのである。

首都高の下を歩く。大きくせり出したあの高架が…

 玉川通りから分かれた首都高の下を歩こう。しばらくは細い小川の上に首都高が通る。途中から川は埋め立てられて暗渠になって、高架下は駐輪場やちょっとした公園に変わる。ビジネススクエアを横目に過ぎたあたりで首都高は徐々に幅を広げていくが、これは料金所があるからだ。そして高架下の真っ暗闇の道の脇。首都高の高架が大きくせり出している。上り線だけに設けられている、用賀パーキングエリアである。

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 東名高速から首都高の料金所を入ってすぐの場所にある、規模の小さなパーキングエリア。世田谷の住宅地の真ん中にあるのだから、海老名SAなどのように広大な敷地を確保できるわけもなく、重層構造になっているのが特徴だ。首都高の道路と同じレベルに駐車場、その下に自販機やらトイレやらがある休憩エリア。そしてさらに、階段やエレベーターで地上にも繋がっている。

用賀パーキングエリア“知る人ぞ知る、渋滞回避方法”

 この用賀パーキングエリア、高速バスで東京方面にやってきたお客がここで降りて、パーキングエリアから外に出て田園都市線の用賀駅で電車に乗って……という使い方ができるのだとか。

 

 渋滞時、いつ目的地に着くともしれないバスに乗り続けるのは忍びない。そういうわけで、2011年から用賀PAで降車して電車に乗り継ぐことが可能になった。もちろんバスのお客限定。いまは終わってしまったが、高速バスのきっぷがあれば田園都市線が割引になるサービスもあったという。

 何しろ、東名から首都高渋谷線にかけてのこのあたり、大型連休じゃなくても四六時中混んでいますからね。知る人ぞ知る、渋滞回避方法である。