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 田園都市線は、この用賀駅を過ぎて二子玉川駅の直前で地上に顔を出すまで、ずっと地下を走る。どこの地下かというと、玉川通りと首都高渋谷線の地下だ。つまり、東京都心から南西に向けて郊外に出て行く、その道筋において高速道路・ルート246・田園都市線は三位一体の関係にあるといっていい。

 ただし、田園都市線も終始玉川通りの地下を走るわけではなく、駒沢大学駅を出てしばらくすると北に逸れる。これは、玉川通りの前身である、旧大山街道の地下を走るからだ。田園都市線は、もともと玉川電気鉄道という路面電車がルーツで、大山街道の上を走って多摩川の畔に向かっていた。その名残が、玉川通りから外れて旧道を行く区間にあるというわけだ。用賀駅は、そうした旧道筋に置かれた地下駅である。

 

地上に出ると…

 なので、地下から地上に出ると、そこは旧大山街道だ。旧道といっても道幅は広く、クルマも人もたくさん行き交う。

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 何より目に留まるのは、駅のすぐ脇(というか直結)にそびえ立つのっぽなビルディング。世田谷ビジネススクエアというビルで、東名高速道路上からも見える、この地域のシンボルである。

 もとは玉電の車庫があって、田園都市線が整備される際には引き続きここに車両基地を置く計画もあったとか。それが頓挫した結果、のっぽなビルが駅のすぐ脇にそびえ立つことになった。

 ビル以外は何があるかというと、ザ・郊外というべき賑やかな商店街だ。人通りは絶えず、近くに学校があるのだろう、高校生の姿も目立つ。玉川通りから少し北に外れていて、他の田園都市線の駅と比べるとなんだか空が大きく見える。駅の直上の道路上、空を見上げても高速道路の高架は目に入らず、世田谷ビジネススクエアが目立つ程度だ。

 

 むしろ駅の周りには低層の店舗が集中して建ち並ぶ、駅前商業ゾーン。用賀の町の人々は、このあたりで仕事帰りに買物をして帰宅するのかもしれない。駅の目の前、めちゃくちゃ近接してドラッグストアチェーンのココカラファインがふたつもあったのは、何か事情があるのだろうか。

駅から少し遠ざかってみる

 旧道沿いには金融機関に交番、コンビニなどなど、たいていの都心の駅前にあるものが揃う。さらに脇道に入っても似たようなもので、駅を中心にして周囲に商業ゾーンが広がっているのが用賀の町というわけだ。