故・ジャニー喜多川氏によるジャニーズJr.への性加害報道がBBCで報じられた後、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(26)が告発会見を行った。ジャニー氏から性的行為を受けたという告発を、オカモト氏が実名・顔出しで行ったのは初めてのことだ。

ジャニー喜多川氏からの性被害を告発したカウアン・オカモト氏 ©時事通信社

 詳細はすでに各メディアで報じられているため割愛するが、世間ではその勇気ある行動を支持する声が高まっている。一方で、ジャニーズファンの一部からは「売名行為」「デビューできなかった中途半端なJr.の逆恨み」といったオカモト氏を非難する声も多数聞こえてくる。

 しかしオカモト氏が15~20回もの性被害を受けたと主張する2012年から2016年という時期を聞いて、筆者には1つ思い当たることがあった。その時期はジャニー氏が自分のお気に入りをゴリ押しする「暴君」ぶりが絶頂に達し、ファンでさえその迷走に戸惑う人も多かった時代なのだ。

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 そしてその混乱の中で、オカモト氏は“ゴリ押し”を受けた1人だった。

 それだけにオカモト氏の告発は、「まさか」と同時に「やはり……」の感情も湧き上がる。

「カウアンさんの事務所からの押されぶりはすさまじかった」

 女性誌などでジャニーズ取材を何度も行ってきたライターのAさん(40代)も、当時のジャニーズの迷走ぶりをこう語る。

「岡本カウアンさんはJr.としてそこまで人気があったわけではありませんが、事務所からの押されぶりはすさまじいものでした。SexyZoneのバックダンサーに突然抜擢され、ときにはメンバーの松島聡さん、マリウス葉さんよりも前に来ていることもあり、ジャニーさんのオキニだということは一目瞭然。ただ岡本さんがゴリ押しされていた時ジャニーさんはすでに80歳を超えていて、さすがにもう性的な接触はないのでは、というのがジャニーズ取材に携わるライターや編集者の感覚だったと思います」

ジャニー喜多川 ©共同通信社

 ジャニー氏がお気に入りのタレントを突然大きな仕事に抜擢するのは珍しいことではなかったので、オカモト氏もそうした「お気に入りの1人」と見られていたのだ。

 その後もオカモト氏に対する“ゴリ押し”は続いた。