《馳知事は、職員の顔や名前が判別できる状態で無断で撮影され、映画として公開されたことを問題視する。公務員の肖像権について、京都大の曽我部真裕教授(憲法・情報法)は「公務中の場面を映したものは違法な肖像権侵害にはならないと考える」と指摘。(略)「公務中の映像で、ドキュメンタリーは報道の一種。公益性が高く、報道の自由が優先される」とみる。》(北陸中日新聞4月5日)
このように馳知事の石川テレビへの文句は無理筋に思えるのだが、自分を厳しめに論評するメディアに対して見せしめと圧力をかけたと考えればわかりやすい。政治家が公然とメディアコントロールを仕掛けているのだ。ヤバいぞ馳浩。
地元メディアと近い「あの男」
さらに気になるのは「地元メディアの報道姿勢」も問われていることだ。新聞労連や民放労連からなる「日本マスコミ文化情報労組会議」は21日に声明文を発表したが「メディア側の対応も十分とは言えない」と指摘している。これはどういうことか?
《新聞も、精力的に取材・報道する媒体は一部にとどまる。今回のように表現・報道の自由に深刻な打撃を与える問題に対しては、報道機関は一致して事態の打開に向けて行動すべきだと考える。》(声明文より)
調べてみるとわかるがここでいう一部の新聞とは「北陸中日新聞」「朝日新聞」のことだろう。逆に石川県で大きなシェアを誇る「北國新聞」はこの問題ではおとなしい。北國新聞は馳浩の“後見人”である森喜朗と近いとされる。
馳はそんな安心感もあって言うことを聞かないメディアを名指ししているのだろうか。そうした“脅し”が有効に見えるからわざわざ「県外」から声明文が出たのだ。ヤバいのは馳浩だけでなく石川県内のメディアも同様なのである。